2024年12月03日
BtoB営業とは?BtoCとの違い4つと業界別BtoB営業の仕事内容を紹介
「BtoB営業って何をする仕事?」
「各業界のBtoB営業の例は?」
BtoB営業と聞いて具体的なイメージが沸かない人も多いでしょう。
BtoB営業は法人向けの営業職という業態を指す言葉であり、特徴もさまざまです。
曖昧な印象のままBtoB営業に転職してしまうと、思い通りの仕事ができずに後悔してしまいかねません。
本記事ではBtoB営業の経験がない方向けに、特徴や各業界における具体的な業務内容について解説していきます。BtoB営業ならではのやりがいや大変さなども合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
BtoB営業とは?BtoCとの違いを5つのポイントで解説
まずは、BtoB営業の特徴を以下3つのポイントに絞って解説していきます。
- 営業相手は企業や官公庁など
- 営業相手と決済者が異なる場合がある
- 取引金額が比較的大きい
各特徴を押さえて、BtoB営業のイメージを具体的にしていきましょう。
ポイント①営業相手は企業や官公庁など
BtoB営業とは「Business to Business」の略であり、企業や官公庁、病院などに対して営業を行う、法人間の取引を意味します。
BtoB営業は製造部品や素材を提供したり、課題解決のための施策を提案したりなど、ビジネス上のニーズに答える側面が強いといった特徴があります。
BtoB営業と比較されやすい業態として、BtoC(Business to Customer)営業があり、こちらは個人が顧客となる営業職です。
BtoC営業の場合は顧客の個人的な趣味嗜好などによって商品を購入するケースがあります。
そのため、BtoB営業の方がよりビジネス色の強い業態と言えます。
ポイント②営業相手と決済者が異なる場合がある
BtoB営業では営業相手と決済者が異なる場合があります。
BtoC営業では目の前の営業している顧客が購入するかの判断をしますが、BtoB営業の場合は、営業相手は担当者であり、実際に決済を判断するのは経営陣になるケースが多いです。
大きな企業になるほど決済までに合意を取り付ける役員が多くなるため、アポイントから契約まで時間を要します。
そのため、営業相手との信頼関係構築だけでなく、顧客企業の幹部や役員クラスとのコミュニケーションも必要になります。
ポイント③取引金額が比較的大きい
BtoB営業は、取引金額が比較的大きいという特徴もあります。
企業間の取引となるため、単価の低い部品1つの提案の場合でも購入単位は数千〜数万となり取引金額も大きいです。
業界によっては2〜3社との継続的な取引を年間に数件こなすだけで売上を立てている企業もあります。
BtoC営業よりも営業アポイントや商談回数は少ないですが、1回の取引の責任やプレッシャーは大きいと言えるでしょう。
BtoBの営業手法とは?営業の流れ4STEP
この章ではBtoB営業の業務内容を、以下のステップに分けて解説していきます。
- リード獲得
- アポイント・クロージング
- 契約と手続き・アフターサポート
上記を参考にしてBtoB営業のフローをイメージしてみてください。
STEP①リード獲得
まずはリード獲得に取り組みます。見込み客の獲得はBtoB営業やBtoC営業などあらゆる業態で必要なフェーズです。
BtoBの場合は、飛び込みで企業へ訪問したり、既存顧客から紹介をもらったり、自社のホームページへの問い合わせによって獲得するなどリード獲得の方法も多岐にわたります。
飛び込み営業では顔を覚えてもらう、既存顧客からの紹介では信頼関係を新たに構築するなど、業界のポジショニングや自社の事業フェーズによって営業スタイルも異なります。
STEP②アポイント・クロージング
アポイントを取り付けたら、クロージングや商談へと持ち込みます。
BtoB営業は1つの契約が売上に関わる重要な取引であり、顧客企業も慎重な判断をします。
そのため、わかりやすいプレゼン資料や顧客企業・業界についてのリサーチなど、事前の準備が欠かせません。
企業によっては、営業資料として統一されたパンフレットや営業で見せる商品などが統一されている場合があります。
このような営業資料の改善を提案する仕事もBtoB営業の業務の1つです。
また、担当者だけでなく決裁権者へのプレゼンも必要となるため、複数人の性格や人柄なども見極めつつ商談を進めることが必要です。
STEP③契約と手続き・アフターサポート
商談で契約を取り付けた後は、スムーズな手続きとアフターサポートへ写ります。
BtoB営業では商談後に顧客の気持ちが変わって契約が白紙になるケースもめずらしくありません。決裁権者の合意まで得た後に破談となってしまうと労力や時間も無駄になってしまいます。
商談後はスムーズに契約手続きへ移行できるように手際よく進めることが大事です。
また、契約後にも自社商品の所感を伺ったり、悩みや疑問点を解決したりといったアフターサポートも必要です。
契約を継続してもらい安定した売上の柱となってもらうまでがBtoB営業の役目でもあります。
【業界別】BtoB企業の営業職とは?主な仕事内容6選
ここからは、BtoB営業の仕事内容を以下の業界別に紹介していきます。
- IT業界
- メーカー業界
- 広告業界
- インフラ業界
- 不動産業界
- 製薬業界
それぞれ詳しくみていきましょう。
①IT業界
IT業界のBtoB営業ではIT・Webソフトやシステムの提供・販売が主な業務となります。
自社ソフト・システムの販売だけでなく、ビジネス上の課題の解決や事業の効率化をすすめるツールを提供するため、コンサルティング要素も含まれるという点が大きな特徴です。
また、月額制でツールを利用してもらう事例が多く、アフターサポートによって継続的に顧客と接点を持つケースも多いです。
さらに、顧客の新たな悩みやニーズによっては自社ソフト・システムの改修や新規商品の開発などに営業が携わることもあります。
②メーカー業界
メーカー業界のBtoB営業では、製造業に必要な電子部品や化学素材、食品などの販売が主な業務となります。
新規顧客の獲得と既存顧客へのルート営業の2つのパターンがあり、配属される部署や企業によって異なります。
特定の分野を独占しているメーカー企業やニッチな分野で高いシェアを誇るメーカー企業など、ビジネス規模も各企業ごとにさまざまです。
個人消費者へ営業することは少ないため、メーカー営業はほとんどがBtoB営業と考えてよいでしょう。
また、ものづくりの根幹を支える業界でもあるため、給与や待遇が安定している傾向にあるという点も大きな特徴です。
③広告業界
広告業界のBtoB営業では商品やサービスなどを宣伝したい企業向けに、雑誌やテレビ、Webメディアといった媒体の広告枠を提供します。
自社で抱える媒体を提供する場合もあれば、代理店として他社の媒体を提供するケースもあります。
広告営業では顧客企業の予算や宣伝したい商品と媒体の相性を考えたり、広告出稿後に効果を測定したりといった業務も必要です。
そのため、販売して終わりではなく、契約後も継続して打ち合わせをして関係構築していくことが求められます。
④インフラ業界
インフラ業界のBtoB営業は、水道、電気、ガス、交通網などの社会インフラを企業や公共施設へ提供します。
インフラ業界においても、インフラを整備している一次企業として提供する場合と、代理店として提供する2つのパターンがあります。
インフラ業界は各領域を担当する企業がすでに存在しており、新規企業が台頭するケースは少ないです。
そのため、激しい競争が少なく営業ノルマが少なかったり残業が少なかったりと、比較的穏やかな業界でもあります。
⑤不動産業界
不動産業界のBtoB営業では、企業向けにオフィスや倉庫の仲介をしたり、自社で開発した土地や建物を販売したりします。
土地や物件の販売だけでなく、自社の不動産を賃貸で貸す場合もあるため、賃貸管理の仕事も営業が引き受けることが多いです。
不動産は取引金額が大きく、BtoB営業の場合は数億〜数十億円にのぼる例もあります。
そのため、個人への住宅販売とは異なり、1つの取引にかかる時間や労力も大きくなりやすいです。
⑥製薬業界
製薬業界のBtoB営業では、病院や薬局へ医薬品の提供をします。
製薬業界の営業にはMR(Medical Representatives)とMS(Marketing Specialist)の大きく2つがあります。
MRは「医薬情報担当者」と呼ばれ、医療従事者に対して医薬品の安全性や有効性についての情報を提供する営業職です。
一方で、MSは「医薬品卸販売担当者」と呼ばれ、医薬品の販売や納品が主な業務となります。
いずれも病院や診療所などを顧客として営業するためBtoB営業といえますが、業務内容は異なるため注意が必要です。
BtoB営業は楽しい?3つのやりがい
ここからは、BtoB営業のやりがいを3つにまとめて紹介していきます。
- 案件規模が大きい
- 会社の売り上げに貢献しやすい
- 高度な営業スキルが身に付く
それぞれ詳しくみていきましょう。
やりがい①案件規模が大きい
BtoB営業は案件規模が大きくやりがいも大きな職種です。
単価の低い商品でもBtoB営業では数百万〜数千万円単位での納品となるケースが多いです。IT業界における月額制の契約の場合でも、年間を通しての契約となれば金額も大きくなります。
また、案件規模が大きくなると関わる人も多くなり、自分が担当する案件が与える社会への影響も大きいです。
契約を獲得して得られるやりがいや達成感の大きさは、BtoB営業ならではの特徴と言えるでしょう。
やりがい②会社の売り上げに貢献しやすい
BtoB営業は会社の売り上げに貢献しやすい職種でもあります。
取引規模が大きければ、当然、会社の売上へ与える影響も大きいです。
例えば、売上の立っていないベンチャー企業で、大型案件を複数獲得できれば、営業が会社を大きくしたとも言えるでしょう。
また、BtoB営業における実績は会社の実績にもなります。大手企業の契約を取り付けることで、会社のブランド力の向上にも貢献できます。
やりがい③高度な営業スキルが身に付く
高度な営業スキルが身に付く点も、BtoB営業のやりがいの1つです。
BtoB営業では企業の役員クラスの合意を貰わなければ契約を獲得できないため、高い営業スキルや専門的な知識などが欠かせません。
また、礼儀やビジネスマナーなどもBtoB営業の現場では、より高いレベルで求められます。
BtoB営業で実績を残すまでに得られる経験や身につける知識は、今後の営業としてのキャリアでも必ず財産になるでしょう。
BtoB営業はきつい?3つの大変さ
BtoB営業にはさまざまなやりがいがある一方で、以下のような大変さもあります。
- 責任やプレッシャーが大きい
- 門前払いをくらうこともある
- 専門的な業界知識が必要
BtoB営業のやりがいだけでなく、大変さやデメリットも押さえておきましょう。
大変さ①責任やプレッシャーが大きい
BtoB営業のいちばんの大変さは、やはり責任やプレッシャーの大きさです。
案件規模が大きいため、契約を勝ち取るか否かで会社の売上が左右されます。
責任の大きさはやりがいもなる一方で、契約が獲得できなかった場合に、会社の損失となることもあります。
ほかにも、ルート営業で大きなミスをしてしまい、既存顧客との契約を打ち切られてしまう場合もありえるでしょう。
案件規模の大きさはプレッシャーにもなることを理解しておく必要があります。
大変さ②門前払いをくらうこともある
BtoB営業では、門前払いをくらうこともあります。
BtoBの取引では継続的な付き合いをしている企業が多いです。
そのため、新規営業として企業へ訪問しても、取り合ってもらえないことも少なくありません。
BtoBの取引は会社の売上やブランドへの影響も大きいため、取引相手を慎重に選ぶ企業も多いです。
ベンチャー企業として新たに法人の契約を獲得するには、地道な努力が必要になるでしょう。
大変さ③専門的な業界知識が必要
BtoB営業では、専門的な業界知識が必要です。
企業の役員クラスへ営業する際に、浅い業界知識で挑んでは営業がうまくいかないだけでなく不信感を与えてしまう恐れもあります。
1つの業界で何十年と経験を積んでいる企業の役員クラスに対して、少し調べれば得られる知識だけで営業へ挑むのは避けたいです。
営業スキルや情熱だけでなく、業界に関する高度な専門知識も日々学習して望む必要があることを理解しておきましょう。
BtoB営業に向いている人の特徴3つ
最後に、BtoB営業に向いている人の特徴を3つにまとめて紹介します。
- コミュニケーションスキルが高い
- ロジカルシンキングができる
- リサーチ力がある
それぞれ詳しくみていきましょう。
特徴①コミュニケーションスキルが高い
コミュニケーションスキルが高い人はBtoB営業に向いているといえます。
BtoB営業は個人間の取引ではなく、企業の売上に関わる重要な取引のため、信頼関係の構築が何よりも重要です。
相手の話を丁寧に聞いたり、意図を汲み取ったうえで話し返したりなど、スムーズなコミュニケーションが欠かせません。
日常的にどのような人ともスムーズなコミュニケーションを取れる人は、BtoB営業でも力を発揮しやすいと言えるでしょう。
特徴②ロジカルシンキングができる
ロジカルシンキングができる人もBtoB営業に向いているといえます。
BtoB営業の本質は顧客企業のニーズや悩みの解決です。
一方的に商品のプレゼンをするだけでなく、顧客の悩みを聞いたうえで根本的な問題を明確にしたり、課題解決に必要な要素を言語化したりなど、論理的な思考力が求められます。
普段からロジカルに物事を考えられる人はBtoB営業がおすすめといえます。
特徴③リサーチ力がある
リサーチ力がある人もBtoB営業に向いているといえます。
営業前の準備段階で顧客企業の課題や業界について調べたり、実際に顧客の悩みを引き出した際に深掘りしたりなど、BtoB営業ではリサーチ業務が必須です。
BtoB営業で契約を勝ち取るには、他の人が思いつかないような観点から物事をとらえて調査する力も求められるでしょう。
調べてすぐ出てくる情報だけでなく、粘り強く深掘りして顧客が求めている情報を調査できる人はBtoB営業に向いていると言えるでしょう。
まとめ|BtoB営業への転職ならプロへ相談!
本記事ではBtoB営業の特徴や具体的な業務内容について解説しました。
BtoB営業はプレッシャーや責任が大きいですが、高度な営業スキルや経験を身につけやすい職種です。
営業としてキャリアを積んでいきたい方は、ぜひ一度、BtoB営業にチャレンジしてみることをおすすめします。
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この記事の監修者
hape Agent編集部
営業職特化だから選ばれる営業転職エージェント「hape Agent」の編集部です