2024年10月31日
ゼネコン営業の仕事内容3選【きつい?】大変な理由とやりがい、平均年収
「ゼネコン営業ってきついの?」
「ゼネコン営業ってどんな仕事?」
ゼネコン営業に興味はあるものの、具体的な仕事内容がイメージできない人も多いでしょう。
ゼネコン営業はビルや商業施設などの建設を手がける大型建設業者の営業担当者であり、規模の大きな案件を担当できたり、社会のインフラに携われる特徴があります。
本記事ではゼネコン営業の具体的な仕事内容から平均年収、営業職のやりがいなどを紹介していきます。
ゼネコン営業がきついといわれる理由や活躍しやすい人の特徴も合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ゼネコン営業とは?仕事内容を3つのポイントで解説
まずはゼネコン営業の仕事内容を3つのポイントに絞って解説していきます。
- ゼネコン=総合建設会社
- クライアントは企業や官公庁など
- 案件の規模が大きい
ゼネコン営業の仕事内容がイメージできない人は、ぜひ参考にしてみてください。
ポイント①ゼネコン=総合建設会社
ゼネコン(ゼネラルコントラクター)とは、総合建設会社を指します。
他の建設会社との違いとしては工事の下請けだけでなく、設計から施工、独自の技術開発なども行う点が挙げられます。
ゼネコンの代表的な企業を以下にまとめました。
- 清水建設
- 大成建設
- 竹中工務店
- 大林組
- 鹿島建設
- 熊谷組
- 長谷工コーポレーション
- 奥村組
ゼネコン企業はデザインや安全性に特化した設計の考案や新しい耐震技術の開発など、建物を建築する以外にもさまざまな事業を展開しています。
売上も数千億円〜数兆円規模の企業が多く、建設業界の元請け企業としてさまざまな社会インフラの設立に携わっています。
ポイント②クライアントは企業や官公庁など
ゼネコンは企業や官公庁などの法人が主なクライアントになります。
そのため、営業職は法人営業が主な業務となり、クライアントである企業や官公庁の建物を建てたいという要望に対して、案件獲得に向けた提案を行います。
ゼネコンの営業では、クライアントの要望に対してさまざまな企業の営業担当者がプレゼンを行うコンペ形式で競われるため、競合に負けない営業力が求められます。
案件獲得のためには、クライアントのニーズの理解だけでなく、自社の強みや特徴の把握、施工担当者とのコミュニケーションなども必要です。
ポイント③案件の規模が大きい
ゼネコンは高層マンションや大型商業施設、テーマパーク、都市開発などを手がけるため、案件の規模が大きいという点も大きな特徴です。
1つの案件規模は数十億円〜数百億円にのぼるといわれています。
スーパーゼネコンと言われる大手企業の受注平均額でみても、1兆6,508億円(※1)とその他の業界ではあまり触れることのない金額となっています。
1つの案件の規模が大きいため、営業職による売上への貢献度も大きく、1つ1つの提案が会社全体にとって重要になってくると言えるでしょう。
(※1)5. ゼネコン規模別の受注高比較
【年収1000万?】ゼネコン営業の平均年収
ゼネコン営業の平均年収は高い傾向にあります。
参考までに、スーパーゼネコンといわれる大手企業の平均年収を以下にまとめました。
大成建設1,024万円(※3)
企業名 | 平均年収 |
鹿島建設 | 1,177万円(※1) |
大林組 | 1,066万円(※2) |
竹中工務店 | 1,012万円(※4) |
清水建設 | 982万円(※5) |
(※1)第127期 有価証券報告書
(※2)2024年3月期(第120期) 有価証券報告書
(※3)2024年3月期 有価証券報告書
(※4)第86期(2023年12月期)
(※5)有価証券報告書-第122期(2023/04/01-2024/03/31)(2024.06.27)
5社のうち4社で1,000万円を超える年収となっており、その他の業界と比較してもかなりの高年収といえます。
営業は会社の売上となる案件獲得の重要な役割となっており、さらに案件規模も大きいため平均年収も高くなりやすいです。
ゼネコン営業の魅力とは?3つのやりがい
ここからは、ゼネコン営業の魅力を3つにまとめて紹介していきます。
- 平均年収が高い
- 規模の大きな案件を経験できる
- 社会インフラの建設に携われる
いずれもゼネコン営業ならではのやりがいのため、上記3つを押さえておくことで具体的な働き方がイメージしやすいでしょう。
それぞれ詳しくみていきます。
やりがい①平均年収が高い
ゼネコン営業のやりがいとして、平均年収が高い点が挙げられます。
先述した通り、ゼネコン営業の平均年収は他の業界よりも高いです。大手のゼネコンであれば年収1,000万円も目指せます。
営業職はインセンティブ制度を設けている企業も多いですが、販売する商材の単価が安いと数を多く売らなければなりません。
ゼネコン営業の場合は1つあたりの案件規模が大きいため、数を多く売らなくてもインセンティブによる報酬が大きくなります。
規模が大きいが故の難しさはありますが、少ない案件に自身の時間を集中させられるため、チャレンジしやすいといえるでしょう。
やりがい②規模の大きな案件を経験できる
ゼネコン営業のやりがいとして、規模の大きな案件を経験できる点も挙げられます。
ゼネコン業界の案件単価は数十億〜数百億円にもなり、他の営業職ではあまり経験できない規模です。
個人では動かすことのない金額が自身の営業力1つで左右する状況は、やりがいも感じやすいでしょう。
また、案件規模が大きいとクライアント企業の大きさや関わる人の数、スケジュール感などもすべてが膨大になります。
自分の人生と並行して1つのプロジェクトを進めていく感覚は、営業職のなかでも珍しい働き方といえるでしょう。
やりがい③社会インフラの建設に携われる
ゼネコン営業のやりがいとして、社会インフラの建設に携われる点も挙げられます。
ゼネコンが手がけるプロジェクトには政府主導の都市開発や高層マンション、商業施設の開発などもあります。
世の中の多くの人に関わる建築物が、自身の営業から始まると考えれば仕事のやりがいも大きいでしょう。
大型の建築物は何十年と先まで残るため、プロジェクトが完了した後も自分の仕事の形として後世に残り続ける点もゼネコン営業ならではの魅力です。
部下や家族にも自慢できる仕事といえます。
ゼネコン営業はつらい?大変と言われる理由4つ
一方で、ゼネコン営業ならではの大変さもあります。ここでは、ゼネコン営業がきついといわれる理由を4つ紹介します。
- 残業が多い
- 接待や会食が多い
- ノルマや案件規模がプレッシャーになる
- 転職が難しい
順番に詳しくみていきましょう。
理由①残業が多い
ゼネコン営業の大変さとして、残業が多い点が挙げられます。
一般社団法人日本建設業連合会が公表している「会員企業労働時間調査報告書 2022年度」によれば、年間の平均時間外労働時間は351時間となっています。
出典:会員企業労働時間調査報告書 2022年度
ゼネコン営業は案件を獲得するために詳細なプレゼン資料を作ったり、クライアントについて具体的な調査をおこなったりなど、綿密な下準備が欠かせません。
また、プロジェクトが動き始めてからも、自社の施工担当者とのコミュニケーションやスケジュール管理など営業以外の業務も多くなります。
ただし、2024年4月からは月45時間以内、年360時間以内の上限が法律によって設けられたため、今後は残業も減っていくことが予想されるでしょう。
理由②接待や会食が多い
ゼネコン営業の大変さとして、接待や会食が多い点が挙げられます。
規模の大きな案件の獲得にはクライアントとの信頼関係が重要です。信頼関係を構築するためには、クライアントの接待や会食など、営業以外でも顧客対応をしなければなりません。
接待や会食とはいえ、クライアントとの付き合いでは常に気を張るものです。休日の接待や会食は就業扱いになりません。
このような営業に関わる業務以外の仕事の多さもゼネコン営業が大変といわれる理由の1つでしょう。
理由③ノルマや案件規模がプレッシャーになる
ゼネコン営業の大変さとして、ノルマや案件規模がプレッシャーになる点も挙げられます。
ゼネコン営業にも他業界の営業職のようにノルマが課せられます。案件規模が大きいため、必達としている企業は少ないですが、ノルマをクリアできなければ評価に関わってくるでしょう。
また、案件規模の大きさはやりがいになる反面、プレッシャーに感じてしまう場合もあります。
金額の大きな案件は会社からの期待も大きくなるため、失敗ができないというプレッシャーを感じ、人によっては精神的にきつくなってしまうでしょう。
さらに、案件を獲得した後の工期においても、遅れやトラブルが多くの人や企業に影響してしまうというプレッシャーもあります。
理由④転職が難しい
ゼネコン営業の大変さとして、転職が難しい点も挙げられます。
大手のゼネコンは新卒採用が基本であり、中途採用で入社するにはハードルが高い傾向にあります。
福利厚生の手厚さや高年収によって人気の企業であるものの、前職で大きな実績を残してヘッドハンティングされなければ難しい中途で入社するのは難しいといえます。
大手ゼネコンへの転職が難しい場合は、準大手ゼネコンや中堅ゼネコンなども視野に入れて検討してみるとよいでしょう。
ゼネコン営業に向いている人とは?活躍できる営業の特徴4つ
ここからは、ゼネコン営業に向いている人の特徴を4つにまとめて紹介していきます。
- 体力に自信がある
- 信頼関係構築力がある
- マネジメントスキルがある
- フットワークが軽い
ゼネコン営業で活躍できる人のイメージ像を膨らませながら、それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。
特徴①体力に自信がある
ゼネコン営業に向いている人の特徴として、体力に自信があるという点があげられます。
ゼネコン営業には、プレゼン資料作りやクライアントニーズの研究といった営業に関わる業務から、休日の接待や会食、プロジェクトの進捗管理などさまざまな仕事があります。
残業時間も比較的多いことから、体力がなければ日々の業務が難しいでしょう。
しかし特別な資格やスキルは必要ないため、言い換えれば体力さえあれば日々の業務についていけるといえます。
体力に自信のある人であれば、ゼネコン営業で活躍しやすいでしょう。
特徴②信頼関係構築力がある
ゼネコン営業に向いている人の特徴として、信頼関係構築力がある点もあげられます。
ゼネコン営業で案件を獲得するには、クライアントとの信頼関係の構築が欠かせません。
クライアントは企業や官公庁などの法人であり、自社のニーズや戦略などは大手のゼネコンといえど簡単に明かそうとしないためです。
そのため、高度な営業スキルを持っていたとしても、クライアントの信頼を得られなければ、仕事へはつながりづらいでしょう。
また、クライアントは数十億〜数百億円の発注をかける企業の担当者選びはかなり慎重になります。
アポイントや商談の場だけでなく、接待や会食なども含めて、クライアントとの信頼関係を構築できる人はゼネコン営業でも活躍しやすいといえます。
特徴③マネジメントスキルがある
ゼネコン営業に向いている人の特徴として、マネジメントスキルがある点もあげられます。
ゼネコン営業には、案件の獲得後の工期の調整や自社の施工担当者との連絡、クライアントのフォローや打ち合わせなど、営業後にもさまざまな業務があります。
案件規模が大きくなると下請け企業の数や関わる人も多くなるため、各要素をすべて押さえてスムーズにプロジェクトを進めなければなりません。
また、建設現場では命に関わるような事故が発生するリスクも潜んでいるため、危機管理にも木を配る必要があるでしょう。
ゼネコン営業にはプロジェクトを管理する広い視野とマネジメント能力が求められます。
特徴④フットワークが軽い
ゼネコン営業に向いている人の特徴として、フットワークが軽い点もあげられます。
案件の進捗に遅れが発生したり、工事を進める上でトラブルが発生したりした際に、すぐに対応できる身軽さがゼネコン営業には求められます。
クライアントの急な要望にも答えられるフットワークの軽さを持ち合わせておくことで、信頼関係の構築にもつながるでしょう。
提案資料の作成やプロジェクト管理に必要な思考力以外にも、さまざまな場面にすぐ対応できるフットワークの軽さも持ち合わせている人はゼネコン営業でも活躍しやすいです。
ゼネコン営業に関するよくある質問
最後に、ゼネコン営業に関するよくある質問を2つ紹介します。
- ゼネコン営業は文系でも就職できる?
- ゼネコン営業は女性でも活躍できる?
それぞれ詳しくみていきましょう。
ゼネコン営業は文系でも就職できる?
ゼネコン営業は文系でも就職可能です。
日刊建設工業新聞社が行ったアンケートによると、主要ゼネコン企業の新卒採用社の中で2〜3割が文系出身だったという結果がでています。
企業名 | 文系採用比率 |
長谷工コーポレーション | 34.6% |
大本組 | 32.1% |
高松コンストラクショングループ | 25.7% |
戸田建設 | 24.4% |
鉄建建設 | 24.4% |
参考:主要ゼネコン35社/24年春新卒採用19社が増加、人材獲得競争が一層激化
営業はコミュニケーションスキルや信頼関係構築力などが求められるため、文系出身者は比較的活躍しやすいといえます。
ゼネコン営業は女性でも活躍できる?
ゼネコン営業は女性も活躍できます。
営業職はコミュニケーションスキルが重要となるため、女性でも人との会話が好きで信頼関係構築が得意であれば活躍することは可能です。
ゼネコン業界では女性の進出率が低い傾向にありますが、近年では産休や育休など女性の働きやすさ改革に取り組んでいる企業も多くなっています。
建設業界全体で人手不足も懸念されているため、今後も女性が活躍しやすい環境が整ってくるといえるでしょう。
まとめ|ゼネコン営業への転職はエージェントへ相談!
本記事ではゼネコン営業の仕事内容ややりがいなどを紹介しました。
ゼネコン営業は企業や官公庁が発注する規模の大きな案件に携われるため、やりがいの大きな職種です。
体力面でのつらさやプロジェクトの大きさからくるプレッシャーなどはあるものの、社会インフラの建設に貢献できる数少ない仕事です。
ゼネコン営業への転職はハードルが高いといわれていますが、興味のある人はぜひチャレンジしてみてください。
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