2024年10月31日
損害保険営業の仕事内容とは? 年収やきついと言われる理由、やりがいを解説
「損害保険の営業って何をするの?」
「損害保険の営業は稼げる?」
保険営業の中でも損害保険会社は人気の高い職種です。しかし、具体的な仕事内容や年収相場、営業の大変さなどわからない人も多いでしょう。
損害保険営業の詳細を把握しないままイメージだけで転職してしまうと、後悔してしまいかねません。
本記事では損害保険営業の具体的な仕事内容や平均年収を解説していきます。損害保険営業は大変だといわれる理由や営業職ならではのやりがいなども合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
損害保険営業の仕事内容!2つの種類で解説
まずは、損害保険営業の仕事内容を、以下2つのケースに分けて解説していきます。
- 損害保険会社の営業部門
- 損害保険代理店の営業職
働く会社の業態によって仕事内容が異なります。自分に適した働き方を見つけるためにも、それぞれの特徴を把握していきましょう。
損害保険会社の営業部門
損害保険会社の営業部門とは、損害保険商品の企画から行う企業の営業職です。代表的な企業として、東京海上日動火災保険や損害保険ジャパンなどが挙げられます。
損害保険会社の営業部門には個人へ直接販売しないという特徴があり、主に以下2つの営業方法に分けられます。
- リテール営業
- 法人営業
リテール営業
損害保険会社のリテール営業では、特定の地域の代理店を担当し、保険販売のサポートを行います。
一般的にリテールとは、小売りを意味しますが、損害保険会社のリテール営業では個人への営業や販売はしません。
自社の損害保険を扱ってもらうために保険代理店へ新規営業を行ったり、既存の代理店の経営支援や営業サポートをしたりします。
担当する地域のマーケットや代理店の営業と綿密なコミュニケーションをとりながら、代理店の売上を伸ばしつつ、自社の損害保険の拡販が大きな目的となります。
法人営業
法人営業では、その名の通り企業へ自社の損害保険の提案や販売をします。
世の中のリスクといわれるものは、個人が備える病気や事故だけではありません。事業に潜むリスクや思いがけず巻き込まれてしまう事故など、さまざまなリスクがあります。
損害保険の法人営業では、上記のような法人が対象となるリスクに対して、企業のリスクマネジメント部門や保険代理店へ保険の提案を行います。
自動車メーカーや建設業、不動産会社、小売業など、幅広い法人が顧客となるため、クライアントの事業や業界についての深い理解が必要です。
損害保険代理店の営業職
損害保険代理店の営業職は、損害保険会社が企画・開発した保険商品を保険募集人として代理で販売する会社の営業です。
損害保険会社とは異なり、個人の顧客への販売が主な業務です。
生命保険の場合は、代理店は加入者と保険会社の仲介に限られるケースもあります。一方で、損害保険の場合は代理店が保険契約を結ぶ権限を持っているケースが多いです。
損害保険代理店の営業職には以下2つの働き方に分けられます。
- 専業代理店
- 副業代理店
専業代理店
専業代理店とは、保険商品を専門に販売する代理店です。
生命保険のみを扱うケース、損害保険のみを扱うケース、どちらも販売するケースなど、専業代理店の業態もさまざまです。
専門代理店では保険のみを専門的に扱うため、顧客に合わせたさまざまな保険の提案ができます。
また、個人への損害保険の営業が主な業務となるため、アポイント数や契約数が直接的に評価や給与へ反映されるという特徴があります。
副業代理店
副業代理店は、本業を行いながら本業に関わる損害保険の販売も行う代理店です。
車を販売しつつ事故や車トラブルに関わる保険の販売を行ったり、不動産会社で戸建てやマンションの販売をしつつ火災保険の販売も同時に行ったりするケースです。
本業と相性のよい保険商品を主に扱うため、顧客へ提案しやすいというメリットがあります。
一方で、顧客へプレゼンするためには保険商品の中身や業界知識など、深い専門知識も求められます。
損害保険営業は稼げる?平均年収は高い傾向にある
dodaが調査した「平均年収ランキング(業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」によると、損害保険営業の平均年収は498万円となっています。
一方で、損害保険会社大手の平均年収は以下の通り、高い傾向にあります。
企業名 | 平均年収 |
東京海上日動 | 約1,390万円(※1) |
三井住友海上火災保険 | 約768万円(※2) |
損害保険ジャパン | 約646万円(※3) |
(※1)2024年3月期 有価証券報告書
(※2)2023年度(第107期) 有価証券報告書
(※3)第81期 有価証券報告書・確認書
損害保険会社の平均年収には代理店の営業職も含まれ、営業成績によって変動するため個人差があります。
大手の損害保険会社であれば平均年収も高くなりやすく、福利厚生なども充実している企業が多いです。
また、代理店の場合はインセンティブによって高年収を狙える会社も多いです。
損害保険営業は楽しい?4つのやりがい
ここからは、損害保険営業のやりがいを4つにまとめて紹介していきます。
- 営業力が鍛えられる
- 専門知識が身につく
- インセンティブがある
- 体力・精神力が身につく
損害保険営業で働く楽しさや身につくスキルなどを紹介していきますので、イメージしながら参考にしてみてください。
やりがい①営業力が鍛えられる
損害保険営業のやりがいの1つに、営業力が鍛えられるという点があります。
損害保険営業では新規開拓やルート営業などの業態から、テレアポ、インサイドセールス、飛び込みといった手法までさまざまな営業を経験できます。
見込み顧客や興味の薄い顧客など、対応する顧客も幅広く、同じ営業現場というのは二度とありません。
法人営業がメインとなる損害保険会社と個人へ販売する代理店では働き方も異なるでしょう。
損害保険営業で働くことで、その他の営業職でも武器となる営業スキルを身につけられます。
やりがい②専門知識が身につく
専門知識が身につく点も損害保険営業のやりがいです。
損害保険の複雑な知識を理解すると、自身が加入する際にも役立ちます。家や車を購入する際に最適な保険選びに迷わなくなるでしょう。
また、友人や家族が保険について悩んでいる時にも的確なアドバイスができます。
人生で誰もが必要となる保険についての知識を身につけられるため、プライベートにも役に立つ仕事と言えます。
やりがい③インセンティブがある
損害保険営業ではインセンティブがつく会社が多いです。
獲得した契約数に応じてインセンティブが付与されるため、高年収も狙える職種です。
会社の業態が自身の営業スタイルとマッチする環境であれば、より稼ぎやすいでしょう。
一般的には、販売した保険商品の手数料の割合に応じて給与がアップしていくため、高額な保険を売ることで年収も高くなりやすいです。
やりがい④体力・精神力が身につく
損害保険営業は体力や精神力が身につく職種です。
損害保険営業では法人営業や個人営業問わず、外回りが一般的であり、1日に何人ものお客様の元を訪問します。
1日に何人ものアポイントを組んだとしても、すべて契約につながらないといった場合もあるでしょう。
言い換えれば、保険営業で粘り強く仕事に取り組める習慣が身につけば、その他の営業職にも役立つ体力と精神力を身につけられます。
営業職で結果を出したい場合は、損害保険業界に飛び込んでみるのもおすすめです。
損害保険営業はきつい?やめとけと言われる理由4つ
損害保険営業がきついと言われる理由に以下の4つが挙げられます。
- 休日出勤がある
- 残業が多くなりやすい
- 代理店のサポートがきつい
- 基本給は低い傾向にある
営業職全般にきついというイメージをお持ちの人も多いでしょう。損害保険営業にも同様の大変さがあります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
理由①休日出勤がある
損害保険営業が大変と言われる理由に、休日出勤が挙げられます。
保険営業は顧客のスケジュールに合わせて動くため、土日や祝日に出勤することも多いです。
抱える顧客が多くなればなるほど休日に仕事をする機会も増えます。場合によっては、休みがほとんどなくなってしまうことも保険業界では起こります。
しかし、休日は顧客の時間を貰いやすいため、完全に休むという訳にはいきません。
休日はしっかり確保したいという人には損害保険営業は向いていないと言えます。
理由②残業が多くなりやすい
残業が多くなりやすい点も、損害保険営業がきついと言われる理由の1つです。
損害保険営業では、営業に必要な資料作りや顧客データの管理、上司やチームメンバーとの打ち合わせなど営業以外の業務も多い傾向があります。
日中は顧客とのアポイントや商談が入るため、営業以外の業務は終業後や夜になり、必然と残業も多くなりやすいです。
とはいえ、いずれも契約を獲得するために必要な業務であり、放棄する訳にはいきません。
保険営業で活躍するには、家に帰ってからも仕事をしなければならない場合もあることを押さえておきましょう。
理由③代理店のサポートがきつい
損害保険営業には代理店のサポートがきついという大変さもあります。
「損害保険会社の営業部門」で解説した通り、損害保険会社の営業部門では担当地域の代理店のサポートが主な業務です。
代理店にはそれぞれ独自の営業スタイルを持っていたり、仕事に対する考え方がことなっていたりと、さまざまな価値観を持って働いている会社もあります。
そのため、自社の保険商品の拡販が目的だとしても、代理店が思うように動いてくれないケースも起こりやすいです。
コミュニケーションをうまく取りながらマネジメントしなければならない点は、損害保険会社ならではの大変さと言えます。
理由④基本給は低い傾向にある
基本給は低い傾向にある点も損害保険営業がきつい理由の1つです。
インセンティブが付与されなければ、年収も低くなってしまいます。
たとえ真面目に仕事に取り組んだとしても、契約が獲得できなければインセンティブは付与されません。
結果だけにこだわって仕事をしなければ自身の年収にも影響してしまうため、基本給の低さがプレッシャーに感じてしまうこともあるでしょう。
損害保険営業に求められるスキルと知識5つ
ここからは、損害保険営業に求められるスキルや知識を5つにまとめて紹介していきます。
- コミュニケーションスキル
- ヒアリングスキル
- マネジメントスキル
- 保険に関する知識
- 財務や会計などの知識
損害保険営業への転職を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
スキル・知識①コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは損害保険営業に必須のスキルです。
営業は人と話す職業です。コミュニケーションスキルがなければ損害保険営業は難しいでしょう。
また、初対面の人と会話する機会が多い職種でもあるため、誰とでもスムーズな対話ができるコミュニケーションスキルが求められます。
コミュニケーションスキルはサービス業や販売職でも養われるため、自信がない場合は転職前に訓練しておくとよいでしょう。
スキル・知識②ヒアリングスキル
ヒアリングスキルも損害保険営業には欠かせません。
自社の保険を一方的に売り込むだけでは契約を獲得することは難しいです。
相手のニーズや悩み、どのようなリスクに対して不安を感じているかを聞き出せなければ最適な保険の提案はできません。
保険は顧客のプライベートや仕事、普段の生活に関わるものが多いです。
そのため、相手に嫌な印象を与えないように深い話を聴きながら、スムーズに悩みやニーズを引き出すスキルが求められます。
スキル・知識③マネジメントスキル
損害保険営業ではマネジメントスキルも求められます。
特に、代理店のサポート業務を行う場合は必須と言えます。
マネジメントができなければ担当している代理店の売上につながらず、自身の評価にも影響してしまいます。
また、保険営業はチームで動く会社もあり、メンバーや部下を抱える際にもマネジメントが必要です。
常に周りのメンバーや代理店の様子を伺いながら、目標達成のために組織を動かせるスキルが損害保険の営業職には求められます。
スキル・知識④保険に関する知識
損害保険営業では保険に関する知識も必須です。
顧客へ保険を提案する以前に、自身が理解していなければスムーズな営業はできないでしょう。
また、顧客から保険内容についての質問があった際に、しっかりと答えられなければ不信感を与えてしまう恐れもあります。
自社の保険商品はもちろんのこと、他の保険と比較した際の違いやメリット・デメリットなどを明確にするためにも、他社の保険商品の理解も必要です。
スキル・知識⑤財務や会計などの知識
損害保険営業では財務や会計などの知識が必要となる場合があります。
特に法人営業を担当する場合は、顧客の事業や会社の経営状況、財務についての理解が欠かせません。
会社の状態を分かっていなければ最適な保険商品の提案も難しいでしょう。
顧客以上に企業の経営状況を理解して、潜んでいるリスクを明確にしたり、対応できる最適な保険をプレゼンしたりすることで顧客の信頼獲得につなげられます。
損害保険営業に関するよくある質問
最後に、損害保険営業に関するよくある質問を紹介します。
- 損害保険会社の仕事はきつい?
- 損害保険営業は今後なくなる?
順番にみていきましょう。
損害保険会社の仕事はきつい?
損害保険営業のきつさとして、以下4つが挙げられます。
- 休日出勤がある
- 残業が多くなりやすい
- 代理店のサポートがきつい
- 基本給は低い傾向にある
損害保険営業は休日に働くことも多く、また、結果を出さなければ給与も低くなってしまいます。
そのため、自身のペースで仕事を進めたい人にとってはきついと感じることもあります。
損害保険営業は今後なくなる?
損害保険営業は今後もなくならないと言えます。
損害保険は世の中のあらゆるリスクに対応する保険であり、日々新しい商品が企画・開発されています。
時代に合わせて必要なリスクマネジメントも変わり、保険に対する専門家のニーズもなくなることはないでしょう。
また、複雑な保険内容や最適な保険選びが一人ではできないという顧客の対応も必要なため、損害保険営業がなくなることは考えにくいです。
まとめ|損害保険営業への転職はエージェントを活用しよう!
本記事では、損害保険営業の仕事内容や平均年収などを解説してきました。損害保険営業にはさまざまな働き方があり、業態も会社ごとに異なります。
損害保険営業は、事故やトラブルに備えるリスク管理のプロとして、さまざまな人の生活を支えるといったやりがいもあります。
自身の働き方に適した環境で営業ができれば稼ぎやすい職種でもあるため、興味のある方はぜひ損害保険営業にチャレンジしてみてください。
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