2025年05月21日
不動産営業の年収ランキング|高収入を狙うならどの会社&職種が有利?

不動産営業は、不動産会社の事業内容やインセンティブの割合などによって年収が大きく異なります。不動産営業で高年収を狙うためには、各企業の平均年収もチェックして、なるべく給料の高い業態で働く必要があります。
本記事では、不動産営業の平均年収や年収の高い企業のランキングなどを紹介していきます。不動産営業でなるべく年収を高める方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
不動産営業の年収はいくら?平均とインセンティブ
まずは不動産営業の平均年収について、以下2つのポイントで解説していきます。
- 不動産業界の平均年収は約450万円
- 不動産営業のインセンティブが発生する傾向にある
上記2つのポイントを押さえることで、不動産営業の年収相場を把握して、おおよその給料がイメージできます。それぞれ詳しくみていきましょう。
不動産業界の平均年収は約450万円
求人ボックスによると、不動産営業の平均年収は444万円となっています。
同データでは営業職の平均年収が414万円となっているため、不動産営業の年収は平均よりも高い傾向があります。また、給与幅が355万円〜1,105万円と幅が広くなっている点も特徴的です。
不動産営業の年収は、インセンティブによって金額が大きく変動するため、給与幅も広くなります。
不動産営業はインセンティブが発生する傾向にある
不動産営業はインセンティブが発生する傾向にあります。
そもそも、不動産売買における仲介手数料は宅地建物取引業によって上限が決められています。
売買価格 | 仲介手数料 |
200万円以下 | 売買価格×5%+消費税 |
200〜400万円 | (売買価格×4%+2万円)+消費税 |
400万円〜 | (売買価格×3%+6万円)+消費税 |
仮に、4,000万円の物件の売買が成立した場合、(4,000万円×3%+6万円)=126万円が不動産会社の利益となり、この中から数%が営業へのインセンティブとして支払われる計算です。
そのため、仕入れた土地やマンション、自社で建てた住宅などを販売する場合は、売買価格が高額になるため、インセンティブによる報酬も高くなります。
年収の高い不動産営業はどれ?5つの業務内容
ここからは、不動産営業の年収を以下の各業態別にみていきます。
- デベロッパー
- マンション管理
- ハウスメーカー
- リフォーム・リノベーション
- 不動産仲介
各サービスの働き方や仕事内容を詳しく知ることで、不動産営業のなかでも年収の高い分野を学べます。それぞれ詳しくみていきましょう。
デベロッパー
デベロッパーとは、土地の開発業者であり、自社で土地を購入し、ビルやマンション建てて収益化を目指す不動産業者です。
マンションや住宅地など特定分野を専門に開発する「専門デベロッパー」と、幅広く手がける「総合デベロッパー」の大きく2つがあり、それぞれに得意分野が異なります。
デベロッパーの営業は、土地の仕入れから設計・開発、開発した土地の販売と運営まで幅広い業務を担当します。
デベロッパーの平均年収は600万〜1,000万円超と幅広く、大手企業では1,200万円以上となるケースもあります。
ただし、インセンティブで稼ぐというよりは、高い基本給+賞与による年収構成となっているのが一般的です。
一方、不動産仲介業などは、1件ごとの成果に応じたインセンティブ報酬が支給されるため、成果次第では1,000万円を超えるケースもありますが、年収の安定性や平均値で見るとデベロッパーのほうが高くなる傾向にあります。
マンション管理
マンション管理は、マンションの維持・運営に関する業務を、管理組合から委託されて引き受けている不動産業態です。
大規模なマンションは、住民やオーナーなどから構成される管理組合だけでは運営や管理が難しい場合が多く、専門家のマンション管理会社へさまざまな業務を委託します。
マンション管理会社の営業職は、物件を保有しているオーナーへ管理の委託を提案して新規の契約を獲得するのが主な業務です。
年収の相場は400万〜600万円程度とされ、デベロッパーやハウスメーカーと比べるとやや低めの水準です。インセンティブによる変動が少なく、ストック型の安定収益が特徴の業態であるため、営業としても数字の波が少なく、堅実な働き方がしやすい職種です。
ハウスメーカー
ハウスメーカーは、自社で戸建て住宅を建築して、一般顧客へ販売する不動産業態です。積水ハウス株式会社や住友林業株式会社などが、代表的な企業としてあげられます。
ハウスメーカーの営業職は、資料請求や問い合わせへの対応とモデルハウスや展示場へ来店してきた顧客対応などを行いながら契約を目指して、引き渡しやアフターフォローまで担当するのが一般的です。
自社直販の場合は仲介マージンが発生しないため、営業個人へのインセンティブが手厚くなりやすく、平均年収も比較的高い傾向があります。
リフォーム・リノベーション
リフォーム・リノベーションは、住宅やマンションのリフォーム・リノベーションをサービスとして提案している不動産業態です。
ハウスメーカーとして戸建てビジネスを展開している企業が、リフォーム事業も手がけているケースが多く、自社で戸建てを購入した顧客へ再販営業することで効率よく利益を得ています。
また、リフォーム・リノベーションを専門に行っている企業もあり、営業職では、築年数の古い物件を自社で購入して改修後に販売したり、物件オーナーへ工事の提案を行ったりといった業務を担当します。
案件単価が比較的低めな反面、提案力や案件数によって収入に大きな差が出る職種でもあります。インセンティブ制度を導入している企業も多く、成果を出せば高収入を目指すことも可能です。
不動産仲介
不動産仲介はその名の通り、物件を売りたい・貸し出したいオーナーと、物件を買いたい・借りたい人の間に入り、需要と供給をマッチさせる不動産の売買や賃貸の仲介を担当します。
物件オーナーから依頼される「元付け」と、買い主(借り主)を見つける「客付け」の2つの分け方があり、どちらも同時に行う業者も存在します。
不動産仲介は仲介手数料が主な報酬となるため、単発で高額なインセンティブは期待しづらいかもしれません。
【最新版】平均年収が高い不動産会社ランキング
ここからは、各業態別に平均年収の高い企業をランキング形式で紹介していきます。
- デベロッパー会社
- マンション管理会社
- ハウスメーカー・住宅販売会社
- リフォーム・リノベーション会社
各業態の年収が高い企業を知ることで、それぞれの年収相場を把握できます。それぞれ詳しくみていきましょう。
デベロッパー会社
デベロッパー企業の年収の高い企業ランキングは、以下のとおりです。
企業 | 平均年収 |
ヒューリック株式会社 | 2,035万円 |
三井不動産株式会社 | 1,289万円 |
三菱地所株式会社 | 1,273万円 |
東急不動産ホールディングス株式会社 | 1,113万円 |
野村不動産ホールディングス株式会社 | 1,090万円 |
参照元:ヒューリック株式会社、三井不動産株式会社、三菱地所株式会社、野村不動産ホールディングス株式会社、東急不動産ホールディングス株式会社
デベロッパー企業のなかで、年収が最も高い会社はヒューリック株式会社でした。
ヒューリック株式会社は、東京23区を中心とした好立地の土地を開発してオフィスビルや商業施設として貸し出す不動産賃貸業を軸に事業を展開している総合不動産企業です。
大手デベロッパーが得意とする、大規模なマンション開発には手をつけず、立地のよさや商業施設、観光ホテル、高齢者施設などに重きを置いた独自の路線を展開することで、高い利益率を残しつづけています。
マンション管理会社
以下の表は、2024年5月時点で管理戸数の多い不動産管理会社の年収ランキングです。
企業 | 平均年収 |
株式会社東急コミュニティー | 588万円 |
日本ハウズイング株式会社 | 577万円 |
参照元:日本ハウズイング株式会社、株式会社東急コミュニティー
マンション管理会社は、管理委託費用が主な収益となるため、高額なインセンティブは期待しづらいです。
そのため、管理戸数トップの日本ハウズイング株式会社の平均年収も577万円と、デベロッパー企業に比べると大きく下がります。
ただし、管理するマンション数が増えていくことで利益も積み重なるストックビジネスであることや、大手デベロッパーとの提携などによって安定した収益構造となっている点が大きな特徴です。
ハウスメーカー・住宅販売会社
ハウスメーカー・住宅販売会社の年収ランキングは、以下の表のとおりです。
企業 | 平均年収 |
住友林業株式会社 | 914万円 |
積水ハウス株式会社 | 859万円 |
タマホーム株式会社 | 841万円 |
飯田グループホールディングス株式会社 | 772万円 |
株式会社オープンハウスグループ | 731万円 |
参照元:飯田グループホールディングス株式会社、株式会社オープンハウスグループ、タマホーム株式会社、積水ハウス株式会社、住友林業株式会社
ハウスメーカーのなかで最も年収の高い企業は、住友林業株式会社でした。
住友林業株式会社は、意匠性の高い木造住宅が人気であり、国内外の山林事業を利用したネットワークによる上質な木材の仕入れにも大きな強みを持つハウスメーカーです。
リフォーム・リノベーション会社
リフォーム・リノベーション会社の年収ランキングは、以下のとおりです。
企業 | 平均年収 |
大和ハウス工業株式会社 | 964万円 |
積水化学工業 | 912万円 |
積水ハウス株式会社 | 859万円 |
住友不動産株式会社 | 730万円 |
株式会社カチタス | 514万円 |
参照元:大和ハウス工業株式会社、積水ハウス株式会社、株式会社カチタス、住友不動産株式会社、積水化学工業株式会社
リフォーム・リノベーション部門で最も年収の高い企業は、賃貸マンションや商業施設なども手がける大和ハウス工業株式会社でした。
特に、中古住宅の購入からリノベーションまでワンストップで対応するサービス「Livness(リブネス)」が好調に推移しており、節約意識の高まりや空き家・直契約の増加などを背景に、今後もさらなる成長が期待できます。
不動産営業で年収を高める方法4つ
ここからは、不動産営業で年収を高める方法を4つ紹介していきます。
- インセンティブの比重が高い企業を選ぶ
- 上場企業や大手の不動産会社に就職する
- 不動産投資・売買の営業職に就く
- 資格を取得する
年収を高める方法を事前に把握することで、転職活動にあたってやるべきことや必要な準備を明確にできます。それぞれ詳しくみていきましょう。
インセンティブの比重が高い企業を選ぶ
不動産営業で年収を高めるには、インセンティブの比重が高い企業を選ぶことが大切です。
インセンティブの比重が高い企業であれば、役職や資格手当がつかなくても、営業の成績次第で高年収を目指せる可能性があります。
若いうちから稼ぎたいという願望のある方は、インセンティブが大きい不動産企業も選択肢として考えてみるとよいでしょう。
なお、不動産業のなかでインセンティブの大きな業態としては、デベロッパーやハウスメーカーなどの取引単価が高い分野がおすすめです。
上場企業や大手の不動産会社に就職する
上場企業や大手の不動産会社に就職することも、不動産営業で年収を高める方法の1つです。
上場企業や大手企業は、年収が高い傾向にあります。「【最新版】平均年収が高い不動産会社ランキング」で紹介した各部門1位の会社は、いずれも上場している大手企業です。
マンション管理業や不動産仲介業のような、利益率の低い業態の場合でも、上場企業や大手企業であれば年収が比較的高くなっています。
「高年収を狙いたいけど、希望する働き方やビジョンが明確になっていない」という方は、大手企業や上場企業から転職先を絞ってみる方法もおすすめです。
不動産投資・売買の営業職に就く
不動産投資や不動産売買の業態に就くことでも、不動産営業で年収を高められます。
一般的な居住用の売買仲介では、利益額が限られるためインセンティブも控えめな傾向にありますが、投資用不動産や資産価値の高い物件を扱う営業職では、1件あたりの利益が大きく、インセンティブも高額になりやすいのが特徴です。
数千万〜数億円の不動産を成約できれば、インセンティブだけで何百万と付与される可能性もあります。
当然、高い営業スキルや専門的な知識、資格などを求められるため、誰でもすぐに稼げるわけではありません。ハードルは高いものの、成果次第では年収1,000万円以上を狙える分野です。
資格を取得する
資格を取得することでも、不動産営業の年収を高められます。不動産営業では、資格手当が付与される場合があるためです。
不動産業には宅建士、マンション管理士、管理業務主任者、不動産鑑定士などさまざま資格があり、携わる業態にあわせて資格を取得すれば、年収アップにもつなげやすいです。
また、個人への住宅販売や投資用不動産を販売する際にはFP(ファイナンシャルプランナー)が役立つように、不動産以外の資格を活用できるケースもあります。
資格取得はキャリアアップにもつながるため、年収アップだけが目的ではなく、積極的にチャレンジしていきたいです。
不動産営業の年収に関するよくある質問
最後に、不動産営業の年収に関するよくある質問を3つ紹介します。
- 不動産営業で年収2000万は稼げる?
- 不動産営業に向いている人は?
- 不動産営業の給料が高い理由は?
いずれも、不動産営業に興味がある人によくある疑問のため、この機会に解消しておきましょう。
不動産営業で年収2000万は稼げる?
不動産営業で年収2,000万円は、不可能な数字ではありません。
特に、不動産売買や投資用不動産を扱う営業職では、1件の成約単価が高額なうえ、インセンティブの比率が大きいため、成果次第では年収2,000万円以上を実現する人もいます。
なお、こうした高年収の例として売買営業が取り上げられる理由は、デベロッパーなどの安定型の職種と違い、営業成績によって収入が大きく上下する「変動型」報酬体系が特徴的であるためです。
たとえば、デベロッパーの営業職は土地の仕入れや開発など長期プロジェクトが多く、平均年収は高水準(600万〜1,200万円)ながら、インセンティブで爆発的に稼ぐスタイルではありません。
一方で、売買仲介や投資用不動産の営業職は、完全歩合制や高還元インセンティブが設定されているケースも多く、短期間で一気に高収入を狙える分野として注目されやすいのです。
そのため、年収2,000万円を目指す場合は、「投資用不動産」「高額物件」「完全歩合制」などのキーワードに絞って求人を探してみるとよいでしょう。
不動産営業に向いている人は?
不動産営業に向いている人の特徴として、次の3つが挙げられます。
- コミュニケーションが得意な人
- 忍耐力や根気がある人
- 顧客の人生に関わるサービスを提供したい人
不動産売買や住宅販売は、顧客の人生のイベントに関わる仕事です。そのため、顧客と信頼関係を築きながら、重要な取引に携わりたい人に不動産営業はおすすめです。
さらに詳しく向いている人の特徴が知りたい場合は、下記記事を参考にしてください。
関連記事:不動産営業は未経験でもできる?仕事内容や資格、転職するメリット・デメリットを紹介
不動産営業の給料が高い理由は?
不動産営業の給料が高いと言われるのは、インセンティブ報酬が収入に大きく影響する業態が多いためです。
特に、不動産売買や戸建て住宅販売などの分野では、取引金額が数千万円〜数億円にのぼるため、歩合によって支払われるインセンティブも高額になりやすく、年収1,000万円以上を目指す人も少なくありません。
一方で、マンション管理や賃貸仲介などの業態では、収益構造が異なるためインセンティブの比重は小さく、給与は安定傾向にありますが、爆発的に年収が伸びることは少ないです。
このように、不動産営業の給料が高くなるかどうかは、配属される業態や報酬制度の設計によって大きく左右されるのが特徴です。
まとめ|不動産営業で働きたいならhape Agent!
本記事では不動産営業の年収に絞って、各業態の年収相場や年収の高い会社のランキングなどを紹介しました。
不動産営業の年収は取引単価やインセンティブの歩合によって変動するため、高年収を狙いたい方は、転職先の給与体系もチェックしておくとよいでしょう。
hape Agentでは、高年収を狙える不動産営業職への転職支援も行っておりますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
この記事の監修者
hape Agent編集部
営業職特化だから選ばれる営業転職エージェント「hape Agent」の編集部です