2025年07月01日
ルート営業とは? ルート営業に向いている人の特徴4選と新規営業との違い

営業職はさまざまな種類に分かれており、それぞれ特徴や向き不向きが異なります。今回ご紹介するのは、求人サイトなどでもよく目にする「ルート営業」。ルート営業の仕事内容や、得られるスキル、向いている人の特徴、転職成功のポイントなど詳しく解説いたします。
目次
ルート営業とは?|既存顧客に向けて提案を行う営業職
ルート営業とは、既存の顧客に対して定期的に訪問し、商品の提案やフォローアップを行う営業職です。
新規開拓とは異なり、すでに信頼関係が築かれた顧客を対象にするため、関係性を深めながら顧客のニーズに応える提案が重要になります。安定した売上を確保しやすい点がルート営業の大きなメリットです。
ルート営業と新規営業の違い
ルート営業と一般営業の違いは、主に顧客の種類と営業活動の目的にあります。ルート営業は、既存の顧客を対象に関係を維持しながら提案やフォローを行うのが主な業務です。
一方、一般営業は新規顧客の開拓を目的とし、商品やサービスを提案することが中心です。
ルート営業では、信頼関係を基盤に追加提案やアップセルを行いやすいですが、一般営業では初めてのアプローチから信頼を構築する必要があります。
ルート営業の仕事内容とは?|顧客との信頼関係を得ることが大事
本章では、ルート営業の主な仕事内容を解説します。
- 定期訪問
- 新商材の提案
- 発注や納品の対応
客先にこまめに伺って問題や要望がないかヒアリングしたり、新たな商材を提案したりすることで継続取引や拡販を狙うことが主なミッションです。
具体的な業務内容を以下でご紹介します。
ルート営業の定期訪問とは?
客先にこまめに足を運び、継続的に発注してもらっている商材に問題がないか、追加の要望がないか、その他に困りごとがないかなどをヒアリングします。
もし指摘や要望があれば、社内に持ち帰って生産や品質管理などの社内担当者へ指示を出すこともあるでしょう。
このような誠実な対応を行うことで、満足度向上や継続取引を促します。また、今まで顧客自身も気づいていなかった潜在ニーズを引き出し、新商材の提案に繋げることもあるでしょう。
ルート営業での新商品や新商材の提案
定期訪問でヒアリングした内容をもとに、これまで提供していなかった商材を新たに提案します。時には他社商材を利用していた顧客に対して、乗り換えの提案を行うこともあります。
発注や納品の対応
発注対応・納品対応といった業務は事務スタッフが行うことが多いですが、これらの業務を営業が兼任するケースもあります。その際、電話対応やExcelを使った作業などが発生します。
ルート営業を行うことで得られる営業で生かせるスキルとは
ルート営業は、既存顧客とできるだけ長く継続取引ができるよう関係構築に注力する仕事です。そのため商品を押し売りするのではなく、相手の話をしっかりと聞いて的確に把握する「傾聴力」や「共感力」が身につきやすいでしょう。
また、潜在的なニーズを引き出す経験も多く積むことになるため「ヒアリングスキル」や「観察力」も養うことができます。
ルート営業に向いている人の特徴とは?|良好な人間関係を築ける方におすすめ
本章では、ルート営業に向いている人の特徴を3つ詳しく解説します。
- 人の気持ちに寄り添うことができる方
- 相手の懐に入ることが得意な方
- 一社一社と長く付き合いを続ける仕事がしたい方
ルート営業は、どのような人に向いている仕事なのでしょうか?活躍しやすい人物の特徴を以下で解説いたします。
人の気持ちに寄り添うことができる方
ルート営業は顧客と長く関係を続けられるよう、相手の要望にうまく寄り添うことが大切です。そのため、ガツガツと自分の意見を発信していく方よりも、相手の話をじっくりと聞いて意図を汲み取ることができる方に向いているでしょう。
相手の懐に入ることが得意な方
顧客から真のニーズや要望を引き出すには、相手から「相談しやすい人だ」と思ってもらえることが重要です。
そのため、親しみやすいコミュニケーションが取れる方や、世間話など他愛ない会話も楽しめる方、細かな要望にも誠実に対応できる方など、「相手の懐に入るのが得意な方」は活躍が見込めます。
一社一社と長く付き合いを続ける仕事がしたい方
前述の通り、ルート営業のミッションは顧客との継続取引。売上を高めることも重要ではありますが、それ以上に顧客との関係構築が重視される傾向があります。
また顧客の都合を考慮して、営業が一度担当した顧客は基本的に変更しない(担当企業を変えない)という企業も多いです。そのため「一社と長く付き合いたい」とお考えの方にピッタリです。
ルート営業のキャリアパスと将来性は?
「ルート営業を続けていてキャリアアップできるのか不安…」そう感じる人も少なくありません。しかし実際には、ルート営業で培われる「信頼構築力」「課題解決力」といったスキルは多くの職種で重宝される「ポータブルスキル」です。(「ポータブルスキル」とは、職種の専門性以外に、業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキルのことです。)
参照元:ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23112.html
いろいろなキャリアステップの可能性があるルート営業について、その経験を活かせる3つのキャリアパスをご紹介します。
社内でのキャリアアップ
まずは今の会社での成長です。実績を重ねることで、営業のスペシャリストやマネージャーに昇進し、チーム育成や戦略立案に携わる道が開けます。また、ルート営業で得た「顧客の声」は、マーケティングや商品企画、カスタマーサクセスなど他部署でも貴重な武器になります。特にカスタマーサクセスでは、関係構築スキルが求められるため、ルート営業での経験を生かすことができるでしょう。
転職で市場価値を広げる
ルート営業でのスキルは、社内だけでなくむしろ社外でも大きく評価される可能性があります。
特に、営業人材の流動性が高まっている現在、市場価値を試すことは有力な選択肢です。2022年度に転職を経験した営業職のうち、36.9%が異職種への転職を実現しており職種を超えたキャリアを選択しています。
参照元:SalesZine「営業職のキャリアに関する調査」、「「新しい営 業職」に関する求人と転職の動向について」
URL:[https://saleszine.jp/news/detail/5427](https://saleszine.jp/news/detail/5427)
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/assets/20231215_hr_01.pdf
また業界を変えて同じ営業職に挑戦することで、専門知識を習得しながら年収アップを図ることも可能です。特に、IT・SaaS・医療などの成長市場では、経験者の需要が高く、待遇面でも好条件が期待できます。
転職を検討することで、これまで気付かなかったキャリアの可能性を大きく広げるチャンスかもしれません。
独立・起業の道も
特定分野での専門知識と人脈を築いたルート営業経験者は、営業代行やコンサルタントとして独立することも可能です。また、現場で見えてきた業界課題を解決する新サービスを立ち上げ、起業家として活躍するケースもあります。
ルート営業を経験することで、実は自分で思っていた以上にその経験を生かせる可能性があり、幅広くチャレンジすることができるかもしれません。
ルート営業の求人を探す際の注意点と選び方
「未経験歓迎」「既存顧客中心で安心」——求人サイトでルート営業の仕事を探すと、魅力的な言葉が並ぶ一方、実際には新規開拓中心だったり、労働環境が厳しかったりするケースも。満足度の高い転職を実現するには、求人票の表面だけでなく「裏側」まで見抜く視点が不可欠です。
まずは転職の軸をしっかりと定めることが重要
まず、自分の中で「転職の軸」を明確にしましょう。なぜルート営業なのか、どの業界・商材に関心があるか、そして譲れない条件(給与、休日、勤務地など)を整理することで、求人を絞り込みやすくなります。
ルート営業の求人票もしっかりと確認
次に注目したいのは、求人票の内容です。業務内容が「既存顧客対応」と書かれていても、「将来的には新規開拓も」とあれば、実質的に新規営業が多い可能性もあるため要注意。また、評価制度が明確か、研修制度が整っているかも重要なチェックポイントです。
労働環境も見逃せません。たとえば「月平均残業時間」や「年間休日数」が明記されているかは必ず確認しましょう。参考までに、厚生労働省の調査では、2023年の有給休暇取得率は平均62.1%でした。極端に下回る企業は慎重に判断すべきです。
出典:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」
URL:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/23/index.html
さらに、OpenWorkや転職エージェントを活用して「求人票に載らないリアルな情報」を得ることも有効です。信頼できる情報源を使いながら、あなたの価値観に合う一社を選びましょう。理想のキャリアは、情報と戦略で掴み取るものです。
ルート営業への転職を成功させる方法とは?|傾聴力が大切
最後に、ルート営業への転職を成功させる方法について、詳しく解説します。
- 面接担当者の話をきちんと最後まで聞く
- 傾聴力は積極的にアピール
ルート営業へ転職したい場合、転職活動ではどのような点に気をつければよいのでしょうか。以下で詳しく解説します。
面接担当者の話をきちんと最後まで聞く
ルート営業の面接では、「相手の言葉の意図を正しく捉えて、的確な答えを返せるか」「会話のキャッチボールがきちんとできるか」といったコミュニケーションの部分が特に注目されます。
面接は自己アピールでいっぱいいっぱいになってしまうものですが、落ち着いて面接担当者の話を聞くことを意識してみてください。
傾聴力は積極的にアピール
ルート営業は、顧客の要望を拾い上げることがとても大切な仕事です。
そのためには、人の話にじっくり耳を傾ける傾聴力が必要。面接でも「人から相談を持ちかけられることが多い」「相手の気持ちを察した行動で喜んでもらえた」といった、傾聴力をアピールできるエピソードを用意しておくとよいでしょう。
志望動機は具体的に伝えるのがポイント
ルート営業の志望動機のポイントは、「なぜルート営業か」「なぜこの企業か」を具体的に伝えることがポイントです。
採用担当者も「どうしてルート営業なのか?」「どういうキャリアを築いていきたいのか?」「なぜうちの会社なのか?」といった点を気にしているからです。
このあたりについては、自分の経験とセットにちゃんと説明ができると良いでしょう。
特に準備しておきたいのは、「この会社だから志望した」という理由も伝えておきたいところです。企業のWebサイトを見て、理念や扱っている製品、サービスの特徴をリサーチしましょう。「○○という製品が業界で高評価で、それを扱えるのが魅力」みたいに言えると説得力が増して良いと思います。
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まとめ|ルート営業とは既存顧客を対象にした営業
今回は、ルート営業の仕事内容や、身につくスキル、向いている人、転職のコツなどをご紹介しました。
ルート営業は未経験でも転職しやすいと言われている仕事です。きちんと選考対策を行えば採用される確率も高まりますので、ルート営業を目指している方はぜひ「hape Agent」へ相談してみてくださいね。
この記事の監修者
株式会社マシカク/コピーライター 白井秀幸
人材業界ではリクルートとエン・ジャパンを合わせると約20年経験。コピーライター/ディレクターとして、業界・職種を問わず2000社以上の採用広告制作に携わる。採用HPやムービー、スローガンなど、採用ブランディング構築の観点で企業と向き合い、様々な課題解決を行なってきた。