2024年07月09日
法人営業へ転職するには? 法人営業のやりがいや転職に必要な3つのスキル
転職サイトの募集要項でよく見る「法人営業」という仕事。
これから初めて営業職に挑戦している方の中には、「何となく概要は分かるが、具体的な仕事内容はイメージがつかない…」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、法人営業の仕事内容、やりがい、描けるキャリアパスなど、法人営業の魅力やポイントを徹底的に深掘りしていきます。ぜひ転職活動の参考にしてみてください!
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法人営業職と個人営業職の違いとは?
法人営業と個人営業の主な違いは、以下の3点です。
- 商品の単価
- 商品の用途
- 商談時のコミュニケーション方法
それぞれの違いを理解すれば、自分が向いている営業職を判断する手助けになります。
①商品の単価
法人営業では、ビジネスを目的とした取引先を相手にするため、商品単価が大きくなります。そのため、売上に貢献できる規模も大きくなり、法人営業の方が年収も高くなる傾向が強いです。
また、法人営業は単価が高くなる関係上顧客数が少なくなり、営業活動も個人より少なくなる傾向にあります。
一方で、単価が上がれば営業する難易度も高くなるため、個人で営業成績が良かった人が法人になった途端、成績不振に陥るケースも少なくありません。
②商品の用途
個人が商品を購入する決め手は「将来が快適になるか」の意味合いが強いです。
一方、法人の購買心理は「現状の課題解決になるか」であり、個人の購買心理と異なります。そのため取り扱われる商品も、法人と個人で違っています。
個人営業:現状や未来がよくなる商品(保険や家電など)
法人営業:現状の課題解決につながる商品(ITシステムやコンサルティングなど)
そのため、法人営業では「提案力」より顧客の問題を一緒に解決できる「問題解決力」が必要です。
③商談時のコミュニケーション方法
商談時のコミュニケーション方法も法人と個人では異なります。
個人に対しての商談は、訪問してきたセールスマンに高い壺を買わされたくない心理が働くため、顧客が警戒しているのが一般的です。
そのため、個人の場合は相手の警戒を解くコミュニケーション能力が必須になります。
しかし、法人営業では、信頼を獲得してもらうため、営業マンとしてのスキルや能力を求められます。「顧客の悩みや必要としているものは何か」を的確に判断し、論理的に説明できなくてはなりません。
法人営業の仕事内容とは?
法人営業は「法人企業に対して営業活動を行う仕事」を指します。
本章では、法人営業の仕事内容を3つの観点から解説します。
- 仕事の流れ
- 関わる人
- 扱う商材による違い
法人営業に興味がある場合は、仕事に対する解像度を高めておくに越したことはありません。ぜひ、転職活動のために最後まで読んで参考にしてください。
①仕事の流れ
法人営業は、「新規開拓営業」か「ルート営業」かによって仕事の流れが変わります。
新規開拓営業は、これまで取引したことのない顧客に対して営業を行うことです。そのため、電話・メール・飛び込み訪問などにより自社を知ってもらい、下記の流れを続けていきます。
- アポイント獲得
- 商材提案
- 見積もり
- 成約
- アフターフォロー
対してルート営業とは、すでにお付き合いのある顧客に対して営業を行うことです。この場合はすでにお互いを知っている状態のため、飛び込み営業などは行いません。
定期訪問で現状をヒアリングし、必要に応じて商材提案、見積もり、成約といった流れになります。
②関わる人
法人営業の特徴とも言えるのが、関わる人の多さです。
顧客である企業の社長や部長、役員、人事と関わるほか、営業の仕事をサポートする事務スタッフ、商材の企画開発や製造を担う社内メンバー、社外の取引先などに指示を出すこともあります。
企業によって異なりますが、法人営業は顧客の窓口だけでなく、プロジェクト全体をまとめる指揮管理役を務めることも多いです。
③扱う商材による違い
法人営業は、扱う商材によっても仕事内容の特徴が変わってきます。
「有形商材」の営業は、カタチのある商材を扱う営業のことです。例として、不動産や日用品が挙げられます。実際の商材を見せることができるため、相手に利用シーンをイメージしてもらいやすい点がポイントです。
一方、カタチがない商材を扱うのが「無形商材」の営業です。例として、ITシステムやコンサルティングが挙げられます。
商材に実体がないため魅力をアピールしにくく、営業の難易度が高い点が特徴と言えるでしょう。その分、高い営業スキルが身につけられます。
法人営業の3つのやりがいとは?
本章では、法人営業の3つのやりがいを紹介します。
- 影響力の大きい仕事ができる
- さまざまなビジネススキルが身に付く
- 人脈が広がりやすい
法人を相手にするからこその魅力とは何か、以下でそれぞれ紹介します。
①影響力の大きい仕事ができる
個人を相手にする個人営業と比べて、法人営業はスケールの大きな仕事ができる点が特徴です。
場合によっては、1件の受注で数億円が動くことがあったり、相手の企業全体に大きな変革をもたらしたりします。そのため、自分の仕事が与えるインパクトの大きさをかなり感じられます。
②さまざまなビジネススキルが身に付く
法人営業は、顧客が1人であることは少なく、企業のさまざまな人に対して提案する必要があります。
- 納得させる必要がある人の数が多い分、下記の幅広いスキル・能力が身につきます。
- 根拠を明らかにしながら論理的に話す力
- 顧客ニーズや懸念点を的確に把握する力
- 大勢の前でプレゼンするスキル
大変な分、経験を積むごとに大きな成長実感を味わえるでしょう。
③人脈が広がりやすい
法人営業は企業から利益を得る仕事であるため、経営者や役員など上層部と話す機会が多いです。
そのため人脈作りには最適な仕事と言えるでしょう。関係が構築されていくと他の経営者を紹介してもらえることも多く、さらに人脈が広がっていきます。
法人営業の厳しさとは?
次に、法人営業が厳しいといわれているポイントを3つ解説します。
- ノルマが厳しい
- 営業難易度が高い
- 離職率が高い
法人営業はよいことばかりではなく、厳しさを感じる部分もあります。法人営業ならではのデメリットを知って、転職で後悔しないようにしましょう。
①ノルマが厳しい
法人営業は、毎月のノルマとの戦いです。課せられていたノルマをクリアするために「押し売り」「パワーセールス」が横行してしまったケースもあります。
法人営業している方の中には、「お客様に価値を提供するより数字を優先してしまった」と後悔する方も少なくありません。
ただし、ノルマは会社によって異なり「ノルマ廃止」の企業も増えています。そういった会社を探してみるのもいいでしょう。
②営業難易度が高い
法人営業は、個人営業より一般的に営業難易度が高いといわれています。
法人営業では、顧客の上層部に決裁を通さないといけないケースが多く、複数の確認が必要です。そのため、担当者は顧客企業の上層部に対して納得のいく説明をしなければなりません。
また、顧客の要望に沿うよう自社内での調整が必要になる可能性もあります。
論理的思考が強く顧客が抱える課題をじっくり解決する能力が高い方は、個人営業より法人営業が向いています。自分の性格に合わせ、適した営業職を選びましょう。
③離職率が高い
人材紹介会社UZUZが実施した調査では、「前職(現職含む)はなんですか?」の質問に対し営業と答えた方が26.7%でした。
また、エンジャパン実施の「企業の人材不足」実態調査では、人材不足部門1位に営業がランクインしています。
つまり、多くの方が営業を辞め、人材不足に悩む職種といえるでしょう。そのため、強い精神力を持ち合わせておく必要があります。
法人営業への転職に役立つスキル・能力とは?
法人営業への転職では、以下の能力があると結果がでやすい傾向にあります。
- ロジカルシンキング力
- コミュニケーション力
- プレゼン力
役立つスキルや能力を知って事前に身に付けておくと、転職成功率を高められるため、ぜひ参考にしてください。
①ロジカルシンキング力
法人営業では、顧客の課題解決に向けて商品を提案しなくてはいけません。
そのため、顧客の現状を客観的にとらえて、商品がどのように貢献するのか顧客が納得できる提案をする必要があります。
顧客から納得を得るには、課題を的確に分析し、道筋を立て解決策を提案しなくてはいけないため、ロジカルシンキング力が重要になります。
②コミュニケーション力
法人営業ではコミュニケーション力が必要です。理由は、顧客の悩んでいる課題を聞き出し、解決するための商品提案をしなくては商品が売れないためです。
コミュニケーション力があれば、顧客の悩んでいる課題を適切に聞き出しやすくなります。
ただし、話すのが得意で説得力があるだけでは不十分です。逆に、相手に話してもらう回数を増やすスキルの高い方が、法人営業には必要です。
③プレゼン力
顧客へ提案しただけでは商品は売れないため、プレゼン力も欠かせないスキルの1つです。
プレゼン力が弱いと、顧客に提案が通っても合意に至らず、提案は不承認に終わってしまうでしょう。
提案を通すためには、競合他社との比較や当社の商品を使うメリットなどをプレゼンすることで、顧客から信頼を得る必要があります。
プレゼン力が高いと、顧客が商品を導入する具体的なメリットを理解しやすくなるため、法人営業に必要なスキルです。
法人営業のキャリアパスとは?
法人営業の経験は、どのような職種・業界・ポジションでも役立ちやすい傾向があります。
ここからは、法人営業を経験するとどのようなキャリアが描けるのか紹介していきます。
- 営業部門の管理職
- 営業ハイプレイヤー
- 営業以外の仕事
それぞれの詳細を解説します。
①営業部門の管理職
法人営業の現場経験を活かし、人材育成や予算管理などを行うマネジメント層へキャリアアップする道です。
営業は自ら行動する立ち位置ですが、管理職の場合は人を動かす立ち位置となるため、マネージャーとしての新たなスキルの習得が求められます。ゆくゆくは経営者となる方も多くいらっしゃいます。
②営業ハイプレイヤー
現場経験をそのまま活かし、営業のハイプレイヤーになる道です。
具体的な仕事内容としては、若手社員の「お手本」としてより高い目標予算を追いかけたり、プロジェクトを進めるのが難しい業界や企業専用の営業担当となったりするケースが一般的です。
③営業以外の仕事
最後に紹介するのが、営業以外の仕事に転職する道です。
営業で学んだスキルは、さまざまな職種・業界で応用できます。
コミュニケーション能力を活かして人事に進んだり、分析力を活かしてマーケティング職に進んだり、さまざまな分野で法人営業経験者が活躍しています。
法人営業への転職で失敗しない3つのポイントとは?
本章では、法人営業への転職で失敗しないための3つのポイントを詳しく解説します。
- 自己分析する
- スキルを棚卸しする
- 転職エージェントを活用する
3つのポイントを転職前に活用すれば、転職成功率が格段に向上するでしょう。
①自己分析する
まず、重要なのは自己分析です。自分がやりがいに感じることや、自分が興味のある分野を理解できると、転職して後悔する確率を下げられます。
特に、以下の3つの要素を明確にしましょう。
前職を辞めた理由
転職先でやりたいこと
自分の強み
上記の3つの要素は、転職時に採用担当者から必ず聞かれる内容です。
自己分析する際は、厚生労働省が運営する「JobTag」の自己診断ツールを活用すると自己分析の精度を高められます。
②スキルを棚卸しする
次に行うのが、スキルの棚卸しです。あなたが持っているスキルを棚卸しすると、「適した働き方」や「モチベーションが高まる仕事」が見えてくるはずです。
特にポータブルスキルは、業種や職種が変わっても活用できるため、汎用性が高い傾向があります。
自分にはどのようなスキルがあるのか棚卸しすると、転職した後の理想と現実のギャップを軽減できるためおすすめです。
③転職エージェントを活用する
自己分析やスキルの棚卸しができたら、転職のプロに相談するのがおすすめです。
転職エージェントを利用すれば、自分だけではない客観的意見が聞けるため、実際の市場価値を判断する手助けになります。
また転職先の紹介だけでなく、書類添削や面接対策を一緒に行ってくれるため、本気で転職を成功させたい方は、エージェントをぜひ活用してください。
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法人営業への転職に関するよくある質問とは?
最後に、法人営業への転職でよくある質問に回答します。
法人営業へ未経験では難しいですか?
営業職への転職は厳しいですか?
事前によくある質問を知っておけば、余計な検索をせずに済みます。
①法人営業へ未経験では難しいですか?
結論、法人営業への転職は難しくありません。
営業職自体が、人手不足の状態であり「未経験歓迎」「経験不問」の応募求人もあります。
そのため、未経験でもチャレンジ自体は可能です。ただし、同じ応募に「営業経験あり」で挑んでいる方がいる場合は、選考で落とされる可能性があるかもしれません。
そのため、自己分析やスキルの棚卸し、エージェントの利用を行い、自分の強みを明確にしましょう。
②営業職への転職は厳しいですか?
結論からいうと、「コミュニケーションが苦手」「人の気持ちを理解できない」など営業に不向きな性格の方は、営業への転職が厳しいかもしれません。
しかし、営業職の求人数は多く、法人営業の人材を求める企業は多数存在します。自身の特性に法人営業職が合っていれば、やりがいを感じながら働くことは十分可能です。
法人営業の転職まとめ
今回は「法人営業」の仕事内容、やりがい、キャリアパスなどについてご紹介しました。
大きなやりがいや高い営業スキルが得られる法人営業。これから初めて営業職に挑戦するという方にも、ぜひおすすめしたい仕事です。
hape Agentでも法人営業の求人はたくさん紹介していますので、気になる方は気軽にご相談ください。
この記事の監修者
株式会社マシカク/コピーライター 白井秀幸
人材業界ではリクルートとエン・ジャパンを合わせると約20年経験。コピーライター/ディレクターとして、業界・職種を問わず2000社以上の採用広告制作に携わる。採用HPやムービー、スローガンなど、採用ブランディング構築の観点で企業と向き合い、様々な課題解決を行なってきた。