2024年03月29日
【保存版】求人票の見方と、注意すべきポイント。
転職サイトに掲載されている、業務内容や労働条件が書かれた「求人票」。見たことがある方は多いかと思いますが、「どの項目も正しく理解できた」と自信をもって言える方は案外少ないのではないでしょうか?たとえば“月給”と“月収”の違いや、固定残業代の仕組みなどは、転職初心者の方には理解しづらい部分。そこで今回は、正しい求人票の見方や注意すべき点について解説します。また、優良企業を見分けるポイントもご紹介。ぜひ実際の求人票を横に置いて、照らし合わせながら読み進めてみてください!
第1章 求人票の見方
求人票は、仕事内容・労働条件・会社概要をしっかりチェックしよう。
求人票にはいろいろな情報が載っていますが、特に確認したいのが「仕事内容」「労働条件」「会社概要」の3つ。それでは、各項目の概要や見方を説明していきます。
・仕事内容
どの求人にも「職種名」が書かれていると思いますが、職種の呼称や定義は企業によって様々。たとえ全く同じ職種名の求人が並んでいたとしても、業務の中身まで同じとは限りません。だからこそ職種名だけでなく「仕事内容」まできちんと読むことが大切です。
営業職の場合、仕事内容でおさえておくべきポイントは「誰に対して、何を、どう提案するのか」の3つ。たとえば「新規企業に対して、投資用不動産を、飛び込み営業や架電営業をして提案する新規開拓営業」であれば、新規開拓をするガッツや行動力が必要になりますし、入社後に不動産について勉強する必要があることが想像できます。
「誰に対して、何を、どう提案するのか」を掴んでおけば、仕事内容がイメージしやすくなり、自分にマッチしているか否かも判断しやすくなるはずです。
・労働条件
労働条件は、給与、勤務時間、勤務地、休日休暇、福利厚生など「どんな待遇・環境でその仕事を行うのか」を示した項目です。基本的には読んだとおりに理解すればOKですが、一部理解しにくい部分や、勘違いしやすい部分があるので注意が必要。その箇所については次章「労働条件を見る際の注意ポイント」で解説いたします。
また、稀に「求人票に書かれている内容と、実際の労働条件が違っていた」というトラブルが発生することがあります。求人票の内容だけを信用するのではなく、クチコミサイトや面接の場も活用して、労働条件に誤りがないか確かめておきましょう。
・会社概要
求人票の最後に書かれていることが多いため読み飛ばしてしまう方も多いかと思いますが、意外と重要なのが「会社概要」。代表者名、資本金、会社の設立年、売上高、事業所、関連会社などが書かれており、その企業の安定性や職場の風土が読み取れる項目です。
たとえば、設立年が古い企業はそれだけ長く経営を行っているため業界での信頼度が高く、安定している企業が多め。逆に新しい企業は安定企業とは言えないものの、風通しの良い社風であったり、新人社員でも裁量をもって働ける環境であったりすることが多いでしょう。
また「事業所」の部分に本社以外の住所が書かれている場合、転勤が発生する可能性があります。気になる方は、面接で確認してみることをおすすめします。
第2章 労働条件を見る際の注意ポイント
求人票に書かれている労働条件には、初めて見る方が勘違いしやすい“落とし穴”がいくつかあります。間違った捉え方をしてしまわないよう、以下でポイントをご説明します。
▼給与に書かれている金額は「手取り額」ではない。
給与欄には「月給●●万円〜」「年俸制●●●万円」といった表記がされているかと思いますが、これはあくまで「額面(会社から支給されるお金の総額)」。ここから社会保険料などが差し引かれた金額が「手取り額」となるのです。
また、月給や年俸とは別に「月収」や「年収」を記載している企業もあると思いますが、これは固定給(月給や年俸)に「変動手当」を加えた金額のこと。変動手当とは、インセンティブや通勤手当など、業績や個々人によって支給額が変わる手当を指します。つまり月収や年収は「想定される支給額の一例」を紹介しているものになります。ちなみに月収や年収も「額面」で記載されていることが多いため、実際の手取り金額とは異なる点に注意が必要です。
▼固定残業代がある企業は、残業しても給与に反映されにくい。
固定残業代とは、実際の残業時間に関わらず、あらかじめ固定給に含まれる残業代のこと。たとえば月の固定残業代が「20時間分」に設定されていた場合、毎月20時間までは追加の残業代(時間外手当)が出ません。「残業しなかった月でも、固定残業時間分の残業代が支払われる」という利点はありますが、逆に「残業しても給与にはあまり反映されない」というデメリットにもなりますので、求人票で必ずチェックしておいたほうがいいでしょう。
▼「週休2日制」の企業は、毎週2日間休めるワケではない。
求人票に「週休2日制」と書かれていると「毎週2日間の休みが取れる」と思ってしまいがちですが、実はそれは間違い。毎週2日間休めるのは「完全週休2日制」の企業のみです。
「週休2日制」とは、年間を通して1ヶ月に1回以上、週2日の休みがある制度のこと。つまり月1回だけ週休2日で、他は週休1日だとしても「週休2日制」と記載できるのです。多くの方が間違いやすいポイントですので、休日休暇欄は注意深く見るようにしてください。
第3章 優良企業か否かを見極めるポイント
前提として、求人票は多くの方からの応募を集めるために魅力的に書かれているもの。そのため社員を大切にしていないブラック企業であっても、魅力的な表現を使ってうまくアピールしています。では、その中で優良企業を見つけるにはどうしたらいいのでしょうか。いくつかポイントをご紹介します。
▼「産休/育休」「有給」「賞与」に、実績の記載があるか
休日休暇欄に書かれている「産休・育休」と「有給休暇」、そして福利厚生欄(または給与欄)に書かれている「賞与」は、制度として存在はしているものの実際には利用されていない、というケースがあります。「有給取得率●%」「賞与支給実績●ヶ月分」といった表記がある企業は、きちんと利用実績があるため安心と言えるでしょう。
▼「社員定着率」が書かれているか
社員定着率も、重要な見極めポイントのひとつ。求人票でアピールができるほど定着率が高い企業は、それだけ社員が居心地良く長く働けているということ。また社員の「平均勤続年数の長さ」をアピールしている企業も、定着率が高い企業と同様、優良企業である可能性が高いです。
まとめ
今回は、求人票の見方について解説いたしました。求人票は、その企業の表面部分にしか触れていない場合も多め。より深く理解するためには、求人の内容をもとに入社後のイメージをうまく膨らませる必要があります。
「ひとりで転職活動をうまく進める自信がない」という方は、転職エージェントを頼るのもおすすめ。転職のプロであるコンサルタントが、あなたの価値観に合わせた求人を紹介してくれます。特にhape Agentであれば、求人票の内容が充実していることでもお馴染みです。転職活動にお悩みであれば、お気軽に相談してみてください!
この記事の監修者
株式会社マシカク/コピーライター 白井秀幸
人材業界ではリクルートとエン・ジャパンを合わせると約20年経験。コピーライター/ディレクターとして、業界・職種を問わず2000社以上の採用広告制作に携わる。採用HPやムービー、スローガンなど、採用ブランディング構築の観点で企業と向き合い、様々な課題解決を行なってきた。