営業職の転職で利用していた転職エージェントについてアンケート調査を実施。

20代・30代の営業職320名を対象に、インターネットで実施いたしました。「営業職の転職で利用していた転職エージェント」に関するアンケート調査の結果に基づき、営業職の転職実態と転職エージェントへのニーズを解説しています。

営業職にとって、キャリア形成における転職は大きな節目です。彼らがどのようなきっかけで転職を考え、どのような不安を抱え、そしてどのような基準で転職エージェントを選んでいるのか。

本調査結果から、営業職の転職活動における心理と行動パターンを考えてみます。

【調査概要】
調査対象：20代・30代の営業職
調査時期：2025年10月
調査方法：インターネット調査
対象人数：320人

Q1：転職を考えるようになったきっかけとして、あてはまるものをすべてお選びください。

転職を考えるきっかけとして最も多かった回答は「給与が低い」（173票）でした。

これは営業職という職種の特性を強く反映していると言えるでしょう。営業職は成果が直接的に報酬に結びつきやすい仕事であり、「仕事で稼ぐ」という点がキャリアを考える上での重要な動機づけとなります。

給与水準への不満は、自身の努力や成果が適正に評価されていないと感じた際の、最も明確な転職トリガーとなることが分かります。

次いで多かったのは「仕事内容に不満がある」（127票）、「社内の雰囲気・人間関係の不満」（111票）、「業界・会社の先行きが不安」（96票）と続きます。

給与だけでなく、日々の業務内容への不満や、社内の人間関係、さらには企業の将来性といった、より内面的な要素も転職の大きなきっかけとなっていることが明らかになりました。

自身のキャリアを能動的に考える営業職にとって、現在の職場環境が長期的な目標達成に適していないと判断された場合、転職という選択肢が現実味を帯びてくるのでしょう。

この結果は、企業側が営業職の定着率を向上させるために、報酬体系だけでなく、働きがいのある環境づくりやキャリアパスの提示がいかに重要であるかを物語っています。

Q2：転職を考える上で、不安に感じたことをすべてお選びください。

転職を考える際に営業職が抱える不安の中で、最も回答が集中したのは「自分のスキルや経験が転職先で通用するかどうか」（153票）でした。

これは、新しい環境で自身の市場価値が認められ、即戦力として活躍できるかという、自己の能力に対する根源的な懸念を示しています。

特に営業職は、前職で培った人脈や特定の商品・業界知識が新しい環境でそのまま活かせるとは限らないというリスクを内包しているため、この不安はより切実なものとなります。

また、3番目に多かった「転職先企業の雰囲気や社風・環境がわからないこと」（93票）と合わせると、「転職後の新しい環境で上手くいくかどうか」という、環境適応への不安が、転職活動での不安要素として重要なポイントになっていることが伺えます。

新しい会社に馴染めず早期離職に至るリスクを避けるためにも、企業文化や職場の実態に関する情報が非常に重要視されていると言えるでしょう。

これらの不安を解消するためには、転職エージェントなどの専門家による、客観的かつ詳細な情報提供や、自身のスキル・経験を正しく評価し、適した転職先を見極めるためのサポートが不可欠となります。

営業職が抱えるこれらの不安は、転職のプロを上手く活用することの有用性を再認識させる結果となりました。

Q3：転職活動をするにあたって、最終的に転職することを決めたタイミングはいつでしたか。

転職を決断した最終的なタイミングとして、最も多くの回答を集めたのは「具体的に転職活動を始める前」（145票）でした。

一方で、2番目に多かった「選考企業から内定をもらった時」（68票）、そして「転職エージェントの面談を受ける前」（53票）、「転職エージェントの面談・求人紹介時」（32票）といった、転職活動の途中で意欲が高まるケースも多く見られます。

特に転職エージェントとの面談は、自身の市場価値や具体的なキャリアの選択肢を認識するきっかけとなり、転職という選択肢をより現実的でリアルなものへと変える役割を果たしていると考えられます。

エージェントとの対話を通じて、今後のキャリアについて深く考えることで、「なんとなく」の意向が「確固たる決意」へと変化するのでしょう。

転職エージェントを介して内定を得る過程で転職意欲が高まっているという事実は、プロのサポートが転職成功の鍵となることを裏付けています。

Q4：あなたが利用したいと思う「転職エージェント」の特徴を、すべてお知らせください。

営業職が転職エージェントに求める特徴として、最も重視しているのは「希望する業種に強い」（138票）という点でした。

これは、転職活動が新卒採用とは異なり、経験者採用が基本となるため、自身のこれまでの経験や知識、培ってきたスキルを最大限に活かせる職場を見つけたいという強いニーズが現れているといえます。

特定の業界・業種に特化し、その分野の非公開求人や深い知見を持つエージェントは、転職成功の確率を高めるパートナーとして高く評価される傾向にあります。

次に、「紹介できる企業数が多い」（115票）、「条件の良い企業の紹介が多い」（106票）という回答が続き、選択肢の多さと質の高さを重要視していることが分かります。

求人の選択肢が豊富であるほど、自身の希望条件に完全に合致する企業に巡り合える可能性が高まると考えるのは自然なことです。

これらの結果から、営業職はエージェントに対し、単なる求人紹介者としてではなく、自身のキャリアを深く理解し、専門的な視点から適切な企業を紹介してくれる「専門性の高いキャリアパートナー」としての役割を期待していると言えるのではないでしょうか。

Q5：登録した転職エージェントの中で、実際に面談を受けるエージェントを決めた理由をすべてお選びください。

実際に面談を受ける転職エージェントを選ぶ決め手として、最も多くの票を集めたのは、「対応スピードが早かったから」（126票）でした。

転職活動は時間との勝負であり、求職者は自身のキャリアをいち早く次のステップへ進めたいと願っています。

そのため、問い合わせや求人紹介、面談設定などのレスポンスが早いエージェントは、求職者の切迫したニーズに応える存在として、信頼感と安心感を与えることができると言えます。

2番目に多かった「面談案内が丁寧だったから」（102票）、そして「スケジュールが柔軟で希望に合致したから」（87票）、「サポートが充実してそうだったから」（63票）といった回答を総合すると、面談を受けるエージェントの選定において、「対応面」と「利便性」が非常に大きな決定要因となっていることが明らかになります。

丁寧な案内や柔軟なスケジュール調整は、求職者にとっての活動のしやすさ、負担の軽減に直結します。

まとめ

以上の調査結果から、営業職の転職活動は、報酬への不満を起点としつつも、「新しい環境で自分のスキルが通用するか」「職場の雰囲気に馴染めるか」といった、環境適応への根源的な不安を抱えながら進められていることが明らかになりました。

そして、この不安を解消し、転職への決意を固める上で、転職エージェントの存在が重要な役割を果たしています。

彼らがエージェントに求めるのは、単なる求人紹介ではなく、「営業職の転職への専門性の高さ」と「迅速かつ丁寧な対応」という、プロフェッショナルとしての質です。
営業職の転職成功には、これらのニーズを満たし、求職者に寄り添うキャリアパートナーとしてのエージェントの活用が不可欠と言えるでしょう。

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