2024年12月09日
30代で営業への転職は未経験でもできる?必要とされるスキルやおすすめの業界を紹介

30代から未経験で、営業職に転職する。
これは求人件数が多い営業職であっても、決して容易ではありません。なぜなら、30代の中途採用では「即戦力」を求められるのが基本であり、未経験から挑戦できる営業職の求人数は、極端に限られてくるためです。
では、チャンスがまったく無いのか…というと、そうでははありません。
企業側が30代の営業職に求めるスキルや経験はある程度決まっており、企業のニーズとあなたのスキルが一致していれば、志望する企業へ転職できます。
たとえ、これまでに営業としての経験がなくても、20代で経験し積み重ねてきたことをアピールすれば、勝機は大いにあるでしょう。
そのコツを、今回の記事ではお伝えいたします。
そもそも30代未経験者は営業に転職しやすいのか
結論から言うと、30代の未経験者でも営業職へ転職しやすくなっています。
30代の求職者に対して、企業は経験を重視しているため、即戦力かどうかが求められます。そのため、30代の未経験者は転職先があまり見つからないかもしれません。
しかし、営業職は他の職種と比較して求人数が多く、未経験者でも歓迎してくれる求人も見つけやすいでしょう。
特に、無形商材と呼ばれる材サービスや物流、ITなどの営業職は、専門的な知識がなくても十分活躍できる可能性があるため、30代未経験者でも転職しやすくなっています。
30代未経験からの営業転職でおすすめの業界
営業職の業界は、大きく分けて4つに分類されます。
分類 | 具体的な職業 |
法人・有形 | ・電気電子機械化学 ・建設 ・食品 ・医療 など |
法人・無形 | ・人材 ・IT通信 ・物流 ・販促 など |
個人・有形 | ・不動産 ・リフォーム ・自動車 など |
個人・無形 | ・金融 ・旅行 ・福祉 ・不動産仲介 など |
中でも、30代未経験の方が転職しやすいのは、「法人・無形」のジャンルです。
人材業界では経験も大事ですが、それ以上に顧客に寄り添った営業ができるかを重視しているため、知識のない未経験者でも歓迎してくれる企業が多くあります。
しかし、「法人・有形」に分類されている職業は、商品の価値や規模などをイチから学ぶ必要があるため、30代未経験の方には向いていません。
未経験で営業職に転職したいとなれば、法人、個人の無形商材か個人の有形商材のうちのどれかをおすすめします。
営業未経験の30代に求められている7つのスキルとは
30代の転職では、20代のようなポテンシャル採用はありません。
素直さや将来への期待などの人間性よりも、「これまでどのような経験を積んできたのか」「どのような強みを活かせるのか」が重視されます。
そのため、採用面接では「自分の経験が、貴社のこの仕事に活かせる」点の強調が大事です。決して、営業職募集だからといって、営業経験が無くてはいけないわけではありません。
営業職に必要なスキルを、あなたがこれまでの経験の中で培ってきたことを伝えるのがポイントです。営業職で求められる能力に関して、下記の7つをご紹介します。
- コミュニケーション能力
- 相手の要望に対応できる力
- 数字へのコミット力
- 顧客課題へのアイデア企画力
- チームをまとめるリーダーシップ力
- よい印象を持たれる力
- 業界や扱う商材を理解する力
それぞれ詳しくみていきましょう。
①コミュニケーション能力
営業職にとって1番必要とされる力です。相手が話している内容から”1番伝えたい情報”を受け取り、応えていく能力です。
ご想像がつかれるように、これは決して営業職だけで必要な能力ではありません。接客販売職や事務職、技術職など、人と接する仕事ならば、これまでに必ず必要とされてきた能力です。
これまでにあなたが経験した仕事の中で、どのような時に人と接してきて、どのようなコミュニケーションがされてきたかを洗い出してみましょう。
②相手の要望に対応できる力
あなたが仕事で接するお客様のご要望にお応えするために、これまでに努力してきた経験があれば、大いにスキルになります。
例えば、事務職であれば、会社の”縁の下の力持ち”として、営業スタッフをサポートした経験やお客様とやりとりをした実務経験があるでしょう。
その内容が困難なものであればあるほど、大きなアピールポイントになります。
③数字へのコミット力
営業職では、目標数字が掲げられることがほとんどです。自身の営業目標の達成に向けて全力になれる人なのかどうか。そんな点を、企業の採用担当者は重視します。
これまでにあなたの経験の中で、業務上の目標や掲げられた数字に対して、達成度合いや向き合い方などを洗い出し、伝えることが大事です。
数字に対して意識の高い人を、嫌がる企業は絶対にありません。
④顧客課題へのアイデア企画力
顧客と1番近い距離にある営業職が、顧客の課題や悩みを1番に把握し、そこから新しい企画や新商品へのヒントを生み出していきます。
これまでに顧客の課題などを分析して、企画などを立てた経験があれば、それは大いにアピールした方がよいでしょう。
マーケッターや企画職、クリエイティブ職から営業職への転身は珍しい話ではありません。
⑤チームをまとめるリーダーシップ力
これまでに店長やチームリーダーとして、部下や組織をまとめた経験があれば、営業職でもその経験は大いに発揮できます。
営業職のキャリア事例として、マネジメント職は花形のキャリアですが、営業成績が高い人が必ずしも良いマネージャーになれるとは限らず、どのような営業経験よりも、マネジメントなどの管理職経験がある方は、転職活動では重宝されます。
⑥よい印象を持たれる力
営業職では、第一印象が重要です。いかにして好感度の高い印象を与えられるかを意識しましょう。
第一印象が怪しかったり怖かったり、好感度が低いと取引したいとは思ってもらえません。
表情を意識したり、身だしなみを整えたりなど、信用できそうな人という印象を持ってもらえるような振る舞いをしましょう。
⑦業界や扱う商材を理解する力
自分が営業で扱っている業界や商材を理解していなければ、最適な提案ができず、上手な営業ができません。
また、業界や商材に興味を持っていれば、自然に知識がついて意欲も高まり、深く理解できるようになるでしょう。理解が深まっていればスムーズな提案ができます。
企業は、営業で成果を出してくれる人材を求めています。そのため、未経験でも知識を持っていれば採用されやすいでしょう。
30代が営業職に転職する3つのメリットとは
30代でも比較的転職しやすい営業職ですが、実際に営業に転職するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。今回は、下記の3つのメリットを紹介します。
- 仕事の基礎や流れを活用できる
- やりがいを感じられる
- 経歴ではなく実力で評価される
それぞれ詳しくみていきましょう。
メリット①仕事の基礎や流れを活用できる
営業職は顧客相手に販売する仕事だと思われがちですが、実際は販売だけでなく、提案や企画、プレゼンやアフターフォローまで幅広い業務を担当します。
これらの業務を担当すると、ビジネスで必要とされる基礎的な要素を経験できます。営業職で身につくスキルは汎用性が高く、さまざまな職種で役に立つものです。
今後のビジネスキャリアでも営業職で身についた仕事のスキルを活用できるでしょう。
メリット②やりがいを感じられる
営業職は他の職種と比較して、お客様と直接関わる機会が多くなっています。そのため、お客様からの感想や反応をダイレクトに感じられるでしょう。
多くの時間を費やして作成した提案に対して、お客様に褒めていただいた時はやりがいを感じられます。
これは営業職の特権でしょう。顧客のニーズを理解し、うまく提案できて信頼を得られた時のやりがいはとても大きいものです。
メリット③経歴ではなく実力で評価される
営業職は経歴ではなく実力で評価されます。そのため、経歴や学歴に不安があっても活躍次第で成功できる仕事です。
営業職は、成果が目に見える数字で表されます。数字が高ければ高いほど出世したり昇給したりできます。
他の職種は成果を数字でなかなか表せません。自分の力が数字で表れる営業職は、実力主義の世界でしょう。
30代が営業職に転職する3つのデメリットとは
30代で営業職に転職するメリットがある一方で、もちろんデメリットも存在します。今回は、下記の3つのデメリットを紹介します。
- 結果が出ていないのが分かりやすい
- 断られてストレスが溜まりやすい
- 実力差ゆえに収入にも差が出る
それぞれ詳しくみていきましょう。
デメリット①結果が出ていないのがわかりやすい
営業職では、目標やノルマが設定されることがほとんどです。そのため、結果が出せていなければそれが目に見える形のため、とてもわかりやすくなっています。
成果が数字で表されるため、常に数字を気にしなければなりません。ノルマを達成しなければプレッシャーがかかってしまい、焦ってミスが生じます。
すると、結果が出ていないことがわかりやすいため、またプレッシャーを感じる悪循環に陥ってしまうでしょう。
デメリット②断られてストレスが溜まりやすい
お客様に営業すると、もちろんすべてのお客様が興味を持ってくれるわけではなく、断られる場合もあります。そもそも話すら聞いてもらえない状況もあり、断られ続けるとストレスが溜まりやすいでしょう。
また、断られてばかりだとノルマも達成できず、上司からもプレッシャーを与えられます。
営業を断られてばかりだと、お客様だけでなく会社側からもストレスを感じることが多いでしょう。
デメリット③実力差ゆえに収入にも差が出る
営業職では、基本給とは別にノルマを達成した報酬としてインセンティブを設けている会社が多くあります。
多くの成果を出して成績が良い月はインセンティブも多く、給与も多くもらえますが、成果が悪くそもそもノルマが達成できていなければ、インセンティブはもらえません。
そのため、月によって給与の差が生じ、収入が不安定になってしまいます。
しかし、会社によっては給与体制が異なるため、事前にしっかり確認しておきましょう。
30代で営業転職に向いている人と向いていない人の特徴とは
30代から未経験職に挑戦する場合、自分が向いているかどうかは気になることだと思います。
実際に働き始めてから合わなかったと感じて再度転職にならないようにも、向いている人とそうでない人の特徴を理解しておきましょう。
営業職に向いている人とそうでない人の特徴は、以下の通りです。
【営業職に向いている人】
- 人とコミュニケーションをとることが苦でない人
- コツコツと仕事に取り組める人
- 臨機応変に・柔軟に対応できる人
【営業職に向いていない人】
- 短気で怒りやすい人
- 頑固な人
- 不誠実でいい加減な人
営業職は、日々お客様相手に業務をします。そのため、相手のことを考えて営業する必要があります。
もし営業がうまくいかなくても、相手のことを考えずに投げやりになり、押し売りのようになってはいけません。
相手の要望を聞いたうえでどうすれば解決できるかを考え、お客様のために最適な提案をできる人が営業職に向いています。
30代から営業職に転職する前に準備するべきこととは
先述した通り、営業職に活かせる経験・スキル・能力を洗い出し、採用担当者に「営業としての素質がある」と思わせるようなエピソードを用意しましょう。
大事なのは、あなたにしか語れない具体的な話にしましょう。目標数字やデータなどを出して、エピソード細かい描写が大切です。
例えば…元アパレル店の店長を経験された方の場合。
自分が店舗の店長を任される前は月商500万円だった店舗が、あなたが店長に就任し、新たなマネジメント施策を実施したことで、スタッフ全員(3名)の士気が高まり、お客様の購買単価がアップ。月商が800万円に上がった。その成績は全国の店舗の中でもトップクラスの成績で、社内賞をいただいた。自身が店長をしていたときに、離職者はゼロ(他店舗は30%の離職率)。スタッフからリーダー職への昇進を成功させた人数も社内で1番多い。
上記は一例。他にも…
▼美容師として接客する中で、お客様の髪のお悩みに対する商品を提案してきた。
▼商品開発者として、消費者のニーズを追求しサービスを改善した。
▼事務職として商品の受発注業務に携わり、お客様から指名で発注をもらえるようになった。
などなど。
どのような職種であっても、営業職に活かせる経験があるはずです。これまでの経験を振り返り、まとめてみましょう。
30代未経験からでも挑戦しやすい営業職例とは
下記の職種は、業界的に比較的年齢の高い層を求める傾向があり、30代から未経験でも挑戦しやすくなっています。
- ルート営業
- 保険営業
- 不動産営業
それぞれ詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
①ルート営業
ルート営業はすでに取引実績のある企業に対して、フォローアップ営業やサポート業務をする営業職です。
ルート営業は既存顧客が営業先なので、新規開拓の負担もそこまで高くなく、関係性の構築に時間を注力でき、コミュニケーション能力の高い人であれば比較的活躍しやすい傾向にあります。
②保険営業
保険営業は、個人や法人に対して、将来起こるかもしれないリスクに備える保険商品を販売する営業職です。
顧客の環境の変化などに応じて保険を見直したり、保険を更新したりし、顧客と長期にわたってお付き合いをする仕事になるため、人間関係の構築に得意な方であれば、活躍のしがいがある仕事です。
また、個人相手の保険営業であれば、年配の方を対象にした商談が多くなるため、社会人経験が長く、年齢が高ければ高いほど、相手に信用してもらいやすい傾向にあります。
また、給与形態がインセンティブ方式になる企業が多く、成果を出したぶん収入が大きく変わるため、頑張りがいがある点も大きなポイントです。
③不動産営業
不動産営業は土地や賃貸を個人に向けて販売する営業職。正直、離職率が高いため、求人数の数が多く、未経験の30代でも転職しやすくなっています。
また、成果を上げた分だけの収入が得られる成果報酬型の給与体型であり、未経験からでも成果を上げられれば、大きな収入を得られます。
未経験から営業職に転職して、キャリアアップを狙っている人や収入アップを狙っている人にはおすすめです。
30代営業未経験者が転職する際は転職エージェントの利用がおすすめ!
30代で未経験職への転職を考えている方には、転職エージェントの利用をおすすめします。
転職エージェントとは、転職を希望する方のために最適な求人を紹介してくれる転職支援サービスです。
転職を希望している場合は無料で利用でき、担当者が経歴や希望をヒアリングして求人紹介をしてくれます。
①転職活動の時間を削減できる
自分だけで転職活動を進めようとすると、多くの求人の中から自分に合った企業を探すのにとても時間がかかるでしょう。
しかし、転職エージェントを利用すれば、転職のプロが自分にマッチした求人を紹介してくれます。
転職にかかる時間を大きく削減できるため、働きながらでも転職活動を進められる魅力があります。
②自分で気付けていない強みを見つけてくれる
未経験職に転職する場合、今までの自分の経歴や転職を希望する職種に関するアピールポイントが重要です。
しかし、自分でこれらを見つけるとなると気付かない部分も多くあります。
転職エージェントを利用すれば、それぞれの職種を熟知しているため、何をアピールすればよいかを教えてくれるでしょう。自分では気付かなかった強みも発見できます。
③職務経歴書の添削や面接対策をしてくれる
転職活動を始めても、そもそも書類すら通らないケースも多くあります。
職務履歴書の書き方次第で面接したいと思ってもらえるかが変わるため、とても重要です。
転職エージェントは職務履歴書の添削も対応してくれます。
少しでも採用されやすくなる書き方をはじめとし、面接対策など、転職までの一連の流れをサポートしてくれます。そのため、未経験職への転職でも有利に進められるでしょう。
④年収の交渉もおこなってくれる
未経験の職種に転職する場合、スキルや実績がないため、年収が下がるのも仕方ないと妥協する人も多いでしょう。
年収を上げてほしくても、なかなか話しづらい内容です。
転職エージェントは、そんな年収の交渉もしてくれます。さらに、入社日の交渉など話しづらい内容を交渉してくれる魅力があります。
30代営業未経験者におすすめの転職サイト・転職エージェントとは
30代の営業未経験者におすすめの転職サイト・転職エージェントとして、以下の2つを紹介します。
- hape agent
- いい求人net
それぞれの特徴を理解し、転職活動を有利に進めましょう。
①hape agent
参照:hape agent
hape agentは営業職に特化したキャリア転職エージェントです。430社を超える転職エージェントの中で、ユーザーからの満足度に関する4部門で1位を獲得しています。
※「全国430社を超える転職エージェントのランキング調査」2019年12月 リクナビNEXT調べ
また、hape agentには以下のような特徴があります。
- 60分のカウンセリングを始めとする丁寧なサポート
- 圧倒的なデータで書類通過率90%以上
- 面接後3人に1人が内定獲得
- 独自システム「Direct Search」で常時12,000件以上の求人を閲覧できる
未経験から営業職への転職を考えている場合は、ぜひhape agentにご相談ください。
②いい求人net
参照:いい求人net
いい求人netは、営業職に特化した営業正社員専門の求人情報・転職サイトです。営業職に特化した転職サービスのため、他では取り扱っていない優良企業や積極採用企業の求人情報を多く保有しています。
いい求人netには、以下の特徴があります。
- あらゆる業界の営業職に精通した専門スタッフによるカウンセリング
- 300種類以上の職務経歴テンプレート
- 蓄積されたデータによる転職活動手続きの代行
- 完全無料の面接対策
求人の紹介から転職活動の進め方までサポートしてくれるいい求人netにぜひご相談ください。
まとめ
30代未経験からの営業職の挑戦で大事なことは、1つです。それは、あなた自身がこれまでに経験し積み重ねてきたことの自信を持ったアピールです。
経験してきたことは、あなたにしか経験できなかったことでもあり、それは唯一無二で立派なスキルでもあります。採用選考では、堂々と積極的にアピールしてください。
「転職をすることにお悩みの方は、コーチが伴走して納得感を持って意思決定できるようになるキャリアコーチングもおすすめです。
自分らしく自律的なキャリアを歩めるようになるにはZaPASSコーチングキャリア」
この記事の監修者
株式会社マシカク/コピーライター 白井秀幸
人材業界ではリクルートとエン・ジャパンを合わせると約20年経験。コピーライター/ディレクターとして、業界・職種を問わず2000社以上の採用広告制作に携わる。採用HPやムービー、スローガンなど、採用ブランディング構築の観点で企業と向き合い、様々な課題解決を行なってきた。