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2025年11月12日

SaaS営業とは?仕事内容や年収まで。やりがいと転職のポイントも解説!

SaaS営業とは?仕事内容や年収まで。やりがいと転職のポイントも解説!

「今の営業スタイル、このままでいいんだろうか…」
「もっと市場価値の高いスキルを身につけて、キャリアアップしたい」
「成長している業界で、自分の力を試してみたい」

もしあなたが、そんな現状を打破し、これからのビジネスシーンで中心的な役割を担うキャリアを築きたいと本気で考えているなら、「SaaS営業」という選択肢が、その答えになるかもしれません。

この記事では、SaaS営業の全貌を解説いたします。

SaaS業界経験者はもちろん、未経験から挑戦したいと考えている方にも役立つよう、基礎から応用、そして具体的な転職ノウハウまで解説。

この記事が、SaaS営業という仕事の魅力と可能性について少しでも理解し、自身のキャリアを次のステージに進めるための、明確な一歩を踏み出すための手助けになればと思います。

目次

SaaS営業とは?4つのポイントで解説

SaaS営業とは?3つのポイントで解説
まずはSaaS営業の概要を、4つのポイントで解説します。

・なぜ今「SaaS営業」が注目されるのか?
・SaaS(Software as a Service)の営業
・SaaSの種類2つ
・SaaSの料金体系4つ

上記を理解すると、比較的簡単にSaaS営業の大筋をつかめます。順番にみていきましょう。

なぜ今「SaaS営業」が注目されるのか?

SaaS営業が注目される最大の理由は、その舞台であるSaaS市場の圧倒的な成長性にあります。

総務省の「令和5年版 情報通信白書」によると、世界のSaaS市場は2022年に約1,674億ドルに達し、2026年には約3,283億ドルにまで拡大すると予測されています。

参照:「令和5年版 情報通信白書」第2部 情報通信分野の現状と課題

国内市場も同様に急成長を続けており、調査会社の富士キメラ総研は、国内SaaS市場が2026年度には1兆6,681億円にまで到達すると予測しています。

参照:富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2022年版」

この背景にあるのが、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化の加速です。働き方改革、生産性向上、データ活用といった経営課題を解決するために、多くの企業がSaaS(Software as a Service)を導入しています。

つまり、SaaS営業は、社会的な需要が高く、今後も拡大が見込まれる成長市場で活躍できる、将来性の高い職種なのです。

成長市場に身を置くことは、自身の市場価値を高め、キャリアの選択肢を広げる上で、極めて重要な要素と言えるでしょう。

SaaS(Software as a Service)の営業

SaaS(Software as a Service)は、インターネットを介して提供されるクラウドサービスです。

・Microsoft 365などのオフィスソフト
・GmailやYahoo!メールなどのWebメール
・SlackやChatworkなどのチャット
・ZoomやGoogle Meetなどのビデオチャット

上記はいずれもSaaSに該当しており、ネット上でアクセスして利用する点が、従来のインストールして使うパッケージソフトとの大きな違いです。

SaaS営業は、このようなインターネットを介して利用できるサービスの利用者を増やすための提案が主な業務となります。

SaaSの種類2つ

SaaSの概要をもう少し詳しくみていきましょう。SaaSには大きく分けて「ホリゾンタルSaaS」と「バーティカルSaaS」の2種類があります。

SaaSの種類 特徴 参考例
ホリゾンタルSaaS ホリゾンタル(horizontal)は「水平」を意味しており、さまざまな業界・業種で利用できる汎用性の高いサービス ・Webメール
・オンラインストレージ
・勤怠管理システム
バーティカルSaaS バーティカル(vertical)は「垂直」を意味しており、ニッチな分野や特定の業種の課題解決に特化したサービス ・運送業向け倉庫管理システム
・医療業界向け電子カルテ
・サービス業向けクラウドPOSシステム

ホリゾンタルSaaSは勤怠管理や給与計算など、どのような企業でも利用できるサービスのため、市場も大きいです。

一方で、バーティカルSaaSは、業界独自の複雑なルールや運用方針など、ホリゾンタルSaaSでは賄いきれない領域に対応するために開発されています。

SaaSの料金体系4つ

SaaSには、主に以下4つの料金体系が用いられています。

料金体系の種類 説明 メリット デメリット
単一価格モデル サービスに対して価格体系が1つのモデル シンプルで分かりやすい ・幅広いユーザーニーズに応えづらい
・売上向上を狙うのが難しい
複数パッケージ価格モデル 複数のプランを提供する価格帯系 幅広いニーズに対応 ・売上向上につなげやすい
・選択肢が多く、ユーザーにとって複雑になる可能性がある
従量課金モデル ユーザー数や利用量などで料金が決定される価格帯系 金額に対するユーザーの納得を得やすい ・事前の収益予測が難しい
・ユーザーに利用を控えられる可能性がある
フリーミアム 無料プランと有料プランを用意した価格帯系 無料で試せるため、利用のハードルが低く、新規ユーザーが集まりやすい 収益化の難易度が高くなる

それぞれの料金体系にメリット・デメリットがあるため、対象とする業界や業種、企業の規模などに合わせて最適なプランを設定しています。

【SaaS営業の特徴】一般の営業との違い4つ

【SaaS営業の特徴】一般の営業との違い4つ
ここからは、SaaS営業と一般的な営業職との違いを4つのポイントで解説します。

・職種が別れている
・単発の売上よりも継続利用を重視する
・主にLTV(顧客生涯価値)が重要な指標とされていることが多い
・自社へのロイヤルティを大切にする

パッケージソフトのように売って終了するビジネスモデルとは異なり、SaaSは利用者に長く使い続けてもらう必要があるため、営業職の働き方や業務内容も一般的な営業と少し異なります。

それぞれ詳しくみていきましょう。

職種が別れている

SaaS営業は、以下の4つの役割に分担されています。

・マーケティング
・インサイドセールス
・フィールドセールス
・カスタマーサクセス

上記のうち、一般的な営業と呼ばれる部分はインサイドセールスとフィールドセールスの2つです。

一般の営業は、アポイントの取得から商談、クロージング(成約)まで一人の営業で対応します。

しかし、SaaS営業は、メールや電話による営業を担当するインサイドセールス、見込み客への対面による商談やクロージングを担当するフィールドセールスと、プロセスごとに役割が分かれています。

業務内容を分けて、それぞれのプロセスで必要なスキルや成約率アップに向けた施策を展開すると、効率的な売上の増加が可能です。

単発の売上よりも継続利用を重視する

SaaS営業は一般的な営業とは違い、継続的な売上を重視します。

パッケージソフトの販売であれば、顧客に購入してもらうことがゴールとなりますが、SaaSは契約後に利用し続けてもらうことが重要です。

そのため、営業の際もSaaSの導入によって解決できる課題や今後の顧客企業の成長性なども踏まえて、中長期的な目線での提案が鍵となります。

主にLTV(顧客生涯価値)が重要な指標とされていることが多い

SaaSは、長期間利用してもらい収益を上げることが目標です。すなわち契約開始から契約終了までのトータルの収益向上を目指します。

この契約開始から契約終了までをLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)で管理します。

自社へのロイヤルティを大切にする

ロイヤルティ(Loyalty)とは、信頼を意味します。

「LTVを高くする」「契約を長く続けてもらう」ためには、自社への信頼を高めてもらうことが必要です。

自社へのロイヤルティは、NPS(ネット・プロモーター・スコア)で数値化されることが多いです。

SaaS営業の仕事内容は?4つのプロセス

SaaS営業の仕事内容は?4つのプロセス
SaaSの営業の具体的な役割としては以下の4つです。それぞれの役割を深掘りして解説します。

・マーケティング
・インサイドセールス
・フィールドセールス
・カスタマーサクセス

上記の業務を理解すると、SaaS営業の仕事をより鮮明にイメージしやすくなります。それぞれ詳しくみていきましょう。

マーケティング|顧客開拓

マーケティングは、営業対象となる見込み顧客(いわゆるリード)の獲得をメインに担当します。自社のサービスを契約してくれそうな見込み客を集めるために、ネット広告やセミナーやメルマガなどでサービスをアピールします。

また法人向けサービスは、契約までの検討時間が長くなるため、見込み顧客の発掘から契約締結までの間、見込み客との継続したコミュニケーションと自社サービスへの興味を持ち続けてもらうためのナーチャリング活動も担うことがあります。

KPIとしては、リードの量と質で図ることが少なくありません。

ただ多くのリードを集めるだけでなく、インサイドセールスが商談化しやすい、質の高いリードをいかに創出できるかが腕の見せ所です。(リード情報も有限であるため、MQLなどリードの質を管理する重要性は高まっています。)

インサイドセールス|見込み顧客への営業

インサイドセールスは見込み顧客への営業が主な業務です。

マーケティングによってリストアップされた見込み顧客へ、電話やメールやチャットなどを使い営業を行います。

そのなかで、サービスへの興味・関心やいつ頃の導入を考えているかなどの情報を引き出しつつ商談のアポイントを取得することが目的です。

引き出した情報から確度の高い顧客とのアポイントメント獲得を目指し、フィールドセールスに引き渡します。

またリードの獲得の仕方によって2種類に分けることもできます。

SDR (Sales Development Representative):
ホワイトペーパーのダウンロードや問い合わせなど、顧客からのアクション(インバウンド)に対応する反響型のインサイドセールスになります。

BDR (Business Development Representative):
企業側が戦略的にターゲットと定めた企業に対し、能動的にアプローチ(アウトバウンド)する新規開拓型のインサイドセールスになります。

KPIとしては、商談数やSQL数、商談化率などがあります。獲得したリードをいかに効率よく商談に結びつけることができるのかが、インサイドセールスの醍醐味になります。

インサイドセールスについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

フィールドセールス|クロージングから商談

フィールドセールスは、見込み顧客と商談を行いクロージング(成約)を目指します。

法人向けのSaaSサービスは、お問い合わせからすぐに契約することは多くなく、契約までの検討期間が長くなることが多いです。

そのため、商談から契約に至るまでのプロセスを適切に管理しておくことが重要になります。

営業管理ツールなども上手く活用しながら、営業の進捗状況を見える化し、効率よく受注につなげるための改善サイクルも重要なポイントになります。

KPIとしては、受注額、MRRやARRといった売上に直結する指標が目標になります。フィールドセールスについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

カスタマーサクセス|契約後のフォロー

カスタマーサクセス(CS)は契約後のフォローが主な業務となります。

SaaSでは、長期の契約継続によるLTVの増加が重要なため、顧客の継続利用を定着させることがカスタマーサクセスの役割です。

カスタマーサクセスは顧客のビジネス成功のために伴走する立場で、サービスのサポートやアップグレードを促します。

また、カスタマーサクセスを通して顧客満足度を高めてもらい、自社へのロイヤルティの向上を目指します。

KPIとしては、解約率やアップセル・クロスセルといった指標が目標になることが多いです。

カスタマーサクセスについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

SaaS営業の平均年収|営業職の中では比較的高い

SaaS営業の平均年収|営業職の中では比較的高い
求人ボックスに掲載された営業職の年収のうち、最も高かった業界はSaaS営業の596万円となっています。

参考:【平均年収】職種別1位はインサイドセールス「491万円」営業職の求人トレンド|求人ボックス

営業職の年収としては、比較的高い部類に入ります。

また、CXプラットフォーム「KARTE」の開発などを手がけるSaaS企業、株式会社プレイドの平均年収は955万円となっていました。

近年のDX化の流れや顧客の継続利用によって収益がストックしていくビジネスモデルなどからも、平均給与が高くなりやすい業界といえるでしょう。

SaaS営業は楽しい!やりがいや魅力3つ

SaaS営業は楽しい!やりがいや魅力3つ
ここからは、SaaS営業のやりがいを3つにまとめてご紹介します。

・成長市場で働ける
・自身の市場価値が高まる
・働き方が比較的自由

SaaS営業の楽しさや仕事の魅力を知ることで、転職時の企業選びの重要な指標となります。それぞれ詳しくみていきましょう。

成長市場で働ける

SaaS営業の魅力の1つに、成長市場で働ける点があります。

One Capital社のレポート「Japan SaaS Insights 2024」によると、SaaS市場は2023年の1.4兆円から2027年には2兆円まで拡大すると予想されています。

引用元の情報として、以下のページとなります。
参考:Japan SaaS Insights 2024 -生成AIの台頭によりSaaS市場は新たなステージへ

コロナ禍の非対面非接触な環境を実現するために、さまざまなSaaSが活用されましたが、現在ではクラウドサービスを利用した業務の効率化がデフォルトとなっています。

今後もSaaS市場のさらなる拡大も期待できるでしょう。

自身の市場価値が高まる

SaaS営業は、自身の市場価値が高まる点も魅力の1つです。

一般的な営業スキルに加え、LTVやNPSなどの専門用語、マーケティングやカスタマーサクセスの細分化された業務など、SaaS営業では幅広い知識やスキルが身につきます。

SaaS営業は狭い分野だけに限定されない、さまざまな知見を得られるため、自身の市場価値を高められる職種です。

働き方が比較的自由

SaaS営業は、働き方が比較的自由な点も魅力的です。

株式会社エムエム総研が運営する「マーキャリNEXT CAREER」の調査によれば、SaaS営業職の7割以上が残業時間は月20時間未満となっています。

また、5割弱の人が、働くうえでワークライフバランスに重きをおいているという回答も出ています。

このように、SaaS業界はホワイトカラーな企業も多く存在しており、営業職の働き方も自由度が高い傾向にあります。

自己管理をしながら、自分のペースを乱さずに働きたい人にはおすすめの職種です。
参考:マーキャリNEXT CAREER

SaaS営業はきつい?やめとけと言われる理由2つ

SaaS営業はきつい?やめとけと言われる理由2つ
SaaS営業は、平均年収が高く働きやすい環境が整う一方で、以下のような大変さも存在します。

・市場の競争が激しい
・業務範囲が広い場合がある

SaaS営業の厳しい部分も理解したうえで、転職の判断をしていきましょう。

市場の競争が激しい

SaaS営業の厳しさの1つとして、市場の競争の激しさがあります。

SaaS業界は成長中であり、サービスに対する需要もまだまだ見込まれることから、さまざまな競合企業が乱立しています。

プロダクトが開発できれば、初期コストが少なく済むビジネスである点も競合が多い理由の1つです。

このように、SaaS営業は強い競合との競争に勝ち残らなければならないため、日々の営業でも苦戦を強いられる可能性があります。

業務範囲が広い場合がある

SaaS営業の厳しさの1つとして、業務範囲の広さもあります。

一般的には、SaaS営業の役割は分担されていますが、ベンチャー企業や駆け出しの事業の場合は、自身でマーケティングからカスタマーサクセスまで担当する場合があります。

一人でさまざまな業務を担当すると、日々の作業量が膨大になり、労働時間も長くなってしまうでしょう。

最悪のケースでは、業務が多いことから営業以外の業務が増えてしまい、セールスに集中できず、結果売上につながらない悪循環に陥る恐れもあるため、注意が必要です。

SaaS営業に向いてる人の特徴5つ

SaaS営業に向いてる人の特徴5つ
SaaS営業の話をさまざまな切り口で書いてきましたが、実際SaaS営業に向いている人材はどのような人なのでしょうか。

ここでは、SaaS営業に向いている人の特徴として、5つご紹介します。

・顧客と長期的な関係をじっくり築ける
・自社製品を愛して他人にすすめられる
・チームで仕事進められる
・特定業界の知識がある
・法人営業の経験がある

上記の特徴を自身と照らし合わせながら、SaaS営業で活躍できるかイメージしてみてください。

顧客と長期的な関係をじっくり築ける

顧客と長期的な関係をじっくり築ける人は、SaaS営業に向いています。

SaaS営業は単発の販売ではなく、顧客との継続的な関係構築が重要です。

導入後のサポートや定期的なフォローアップなど、契約後は単なる顧客ではなく、ビジネスパートナーとしての役割も求められます。
そのため、契約後も顧客の成功を第一に考えて、信頼関係を維持できる人はSaaS営業で能力を発揮しやすいです。

自社製品を愛して他人にすすめられる

SaaS営業は、自社製品を愛して他人にすすめられる人にもおすすめです。

自社のSaaS製品に対する深い理解と情熱は、商談やクロージングの際にも表情や自信として現れ、顧客を惹きつける要素にもなります。

また、自社製品を愛せるのは、競合との比較分析ができていることの裏返しでもあるため、論理的で説得力のある説明も展開できます。

心の底から製品をおすすめしてくれる営業は、顧客も信頼しやすいため、関係構築にもよい影響を与えるでしょう。

チームで仕事を進められる

SaaS営業は、チームで仕事を進められる人にとって、やりがいを感じやすい職種です。

SaaS営業は、マーケティングからセールス、カスタマーサクセスなど、さまざまな役割が分担されており、単独ではなくチームで成果を出す仕事です。

また、製品開発部門やエンジニアなどとのコミュニケーションをとる機会もあります。

あらゆる部門と連携をはかりながら、製品のアップデートや売上の増加へ向けて業務に取り組む点は、SaaS企業の特徴ともいえるでしょう。

そのため、チームとして大きな目標に向かって進むことに喜びややりがいを感じる人にとって、SaaS営業は天職かもしれません。

特定業界の知識がある

特定業界の知識がある人もSaaS営業で活躍しやすいです。

特定の分野に特化したバーティカルSaaSの営業では、顧客のビジネスに精通している営業が力を発揮しやすいです。

例えば、建設業のDXに特化したSaaSは、顧客の建設関係企業が抱える課題を知り尽くした、建設業界出身の営業が活躍しやすいです。

営業やSaaSとしての知識は入社後も身につけられますが、特定業界の経験は現場でしか得られないため貴重です。

IT・Web業界の経験がない人でも、過去の経験が大きな武器となる場合もあるのがSaaS営業の特徴でもあります。

法人営業の経験がある

基本的にSaaS営業はBtoBがメインとなるため、法人営業の経験がある人は働きやすい環境といえます。

法人営業は意思決定プロセスや関わる人の多さ、案件規模の大きさなど、個人営業では経験しづらい要素が豊富にあります。

SaaS営業も例外ではなく、関わる人の多さや顧客へアプローチするところから契約までのプロセスの複雑さなど、法人営業を経験しておかなければ慣れない場面も多いです。

これまでの法人営業としての経験がどれだけ活かせるのか、力試しをしたい人はSaaS営業にぜひチャレンジしてみてください。

SaaS営業には何が必要?求められるスキルと経験6つ

SaaS営業には何が必要?求められるスキルと経験6つ
ここからは、SaaS営業を目指す際に求められるスキル・経験として、以下の6つをご紹介します。

・SaaS業界の知識
・プロダクトの理解
・ヒアリング力
・ロジカルシンキング
・課題解決力
・チームワーク

強豪ひしめくSaaS営業で成果を出すためには、現場の経験以前に、土台となる知識やスキルが必要です。SaaS営業として最高のスタートを切るためにも、上記を参考にスキル・知識を身につけていきましょう。

プロダクトの理解

SaaS営業をするならば、自身が売るプロダクトの理解も必須です。

どのようなサービスで、なにができるのか、理解していなければ顧客に勧められません。
また、プロダクトの理解が足りていないと、満足に説明できないだけでなく、顧客からの質問にも正しく回答できず、会社のブランドを傷つけてしまいかねません。

うまく話すこと以前に、自社のプロダクトに誰よりも詳しくなることが、SaaS営業では重要です。

ヒアリング力

SaaS営業は、ヒアリング力も重要なスキルの一つです。

顧客に適切な提案をするためには、顧客の課題を把握するために丁寧なヒアリングが必要です。

また、SaaS営業はプロセスごとに業務を分担して、チームメンバーと協力しながら業務を行うため、ヒアリングが甘いと、齟齬が発生して案件全体に悪影響を及ぼしてしまいます。

顧客の状況の理解は、契約自体の成功率にも、その後の継続率にも影響があるため大切です。

ロジカルシンキング

ロジカルシンキング(論理的思考)もSaaS営業に必要なスキルです。

ロジカルシンキングは原因と結果をはっきりさせ、そのつながりを明確にする思考法です。

これにより、聞き手となる顧客はサービスや課題解決の提案の説明が理解しやすくなり、納得感が増します。

逆に、こちらが聞き手になった際も、顧客側の話の把握が難しい場合に整理しながらコミュニケーションを取れるため、互いの認識違いを避けられます。

伝えたいことを整理して、流れとして伝えるためにロジカルシンキングは欠かせません。

課題解決力

SaaS営業には、課題解決力も求められます。

課題解決力とは、顧客が認識している課題はもちろん、顧客自身も気付いていない課題を明確にして解決策を提案する能力です。

まだ顕在化していない課題の発見と解決には、顧客の業界に高くアンテナを張り、動向の深い理解が必要です。

チームワーク

SaaS営業は、プロセスごとに担当を分けるため、それぞれのチームワークが欠かせません。

一般的な営業のように、自分の力だけで成功に導くのではなく、チームで協力して全体として成功させることが重要です。

チームワークを乱さないようにするためにも、報連相に気を遣いつつ、常に最新情報を共有するよう心がけましょう。

SaaS営業への転職を成功させる5つの必須ポイント

ここからはいよいよ本題です。あなたがSaaS営業への転職を成功させるために、絶対に押さえておくべき5つのポイントを、【未経験者向け】と【経験者向け】の視点を交えながら具体的に解説します。

ポイント①:【未経験者向け】親和性の高い経験・スキルをアピールする

「SaaS業界は未経験だから…」と不安に思う必要はありません。SaaS企業はポテンシャル採用も積極的に行っており、あなたのこれまでの経験の中に、必ずアピールできる要素があります。

【アピールできる経験・スキルの例】

無形商材の営業経験:
人材、広告、コンサルティング、金融商品など、形のないものを扱ってきた経験は高く評価されます。顧客の課題をヒアリングし、価値を言語化して提案するスキルは、SaaS営業に直結します。

課題解決型の営業経験:
単なる御用聞きではなく、顧客の課題を特定し、解決策を企画・提案してきた経験は非常に強力なアピールポイントです。

特定の業界知識(ドメイン知識):
例えば、あなたが建設業界向けの営業をしていたなら、建設業界特化のSaaS(バーティカルSaaS)企業では即戦力として期待されます。その業界の商習慣や課題を深く理解していることは、大きな強みです。

【アピールのコツ】

重要なのは、自分の経験をSaaS営業の文脈に置き換えて語ることです。「前職では、〇〇という課題を抱える顧客に対し、ヒアリングを通じて〇〇という潜在的なニーズを特定し、〇〇〇という解決策を提案することで、顧客のコストを15%削減することに成功しました。

この課題解決能力は、貴社のSaaSを提案する上でも必ず活かせると考えております」のように、具体的なエピソードを交えて説明しましょう。

ポイント②:【経験者向け】実績を「数値」で語る準備をする

あなたが既にSaaS営業の経験者であれば、企業が最も知りたいのは「あなたがこれまでどのような実績を上げてきたか」です。

職務経歴書や面接では、必ず定量的な実績を盛り込みましょう。

【アピールすべき数値の例】

個人目標の達成率:〇四半期連続で目標達成率120%以上など。
担当アカウントの売上貢献:担当した既存顧客からのアップセル、またはクロスセルで〇〇円の売上を創出した。
チャーンレートの改善:担当領域のチャーンレートを〇%か〇%に改善した。
大型案件の受注実績:〇〇円規模のエンタープライズ案件を受注した。
営業進捗管理の実績:案件の進捗管理をツールで定量的に把握し安定した受注を上げました。

これらの数値を、どのような工夫や行動(Action)によって達成したのか(STARメソッド)をセットで語れるように準備しておくことが、他の候補者との差別化に繋がります。

ポイント③:SaaSビジネスの基本用語とフレームワークを理解する

未経験者・経験者問わず、SaaS業界への転職活動において、業界の共通言語を理解していることは最低限のマナーであり、熱意の証明にもなります。

面接官は「この人はちゃんと勉強してきているな」と評価します。

以下の用語は、必ず自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

・必須用語: MRR/ARR, LTV, CAC, Churn Rate
・重要フレームワーク: The Model

これらの用語をただ暗記するだけでなく、「なぜSaaSビジネスにおいてLTV/CACの比率が重要なのか?」といった「Why」の部分まで理解しておくと、面接での深い質問にも対応できます。

ポイント④:情報収集で自分に合う企業文化・フェーズを見極める

一口にSaaS企業と言っても、その文化や事業フェーズは様々です。自分に合わない環境に入ってしまうと、早期離職に繋がりかねません。

【企業のフェーズ】

スタートアップ(資金調達、IPO前後):
0→1、1→10などの立ち上げを経験できる。仕組みが整っていない分、裁量が大きく、一人ひとりの役割が広い。カオスを楽しめる人向け。

メガベンチャー:
組織や仕組みが整いつつあり、教育体制も充実しています。勢いのある環境で専門性を高めたい人向け。

外資系SaaS/国内大手:
既に確立されたブランドと製品力がある。仕組みが完成しており、その中で高いパフォーマンスを出すことが求められる。

【情報収集の方法】

公式情報:企業の採用サイト、プレスリリース、IR情報(上場企業の場合)
社員の生の声:採用ブログ、社員インタビュー記事、社員のSNS(Twitterなど)
第三者の評価:OpenWorkなどの口コミサイト、転職エージェントからの情報

これらの情報を多角的に集め、「自分がどのような環境で、どのように成長したいのか」という軸と照らし合わせ、応募する企業を絞り込んでいきましょう。

ポイント⑤:SaaS業界に強い転職エージェントを最大限活用する

転職活動を有利に進めるために、転職エージェントの活用は非常に有効です。

特にSaaS業界に特化したエージェントは、業界の深い知識と企業との太いパイプを持っており、強力な味方になります。

【エージェント活用のメリット】

非公開求人の紹介:
Webサイトには掲載されていない、優良企業のポジションを紹介してもらえる可能性がある。

専門的な選考対策:
企業ごとの面接の傾向や、評価されるポイントに基づいた、具体的なアドバイス(職務経歴書の添削、模擬面接など)を受けられる。

年収交渉の代行:
自分では言い出しにくい年収や条件面の交渉を、プロの視点で行ってくれる。

客観的なキャリア相談:
あなたの経歴や志向性を踏まえ、どの企業やポジションが合っているかを客観的にアドバイスしてくれる。

複数のエージェントに登録し、自分と相性の良いキャリアアドバイザーを見つけることが、転職成功への近道です。

SaaS営業への転職活動|具体的な4ステップと面接対策

最後に、SaaS営業への転職活動を成功させるための具体的な4つのステップと、面接で必ず聞かれる質問への対策を解説します。

Step1:自己分析とキャリアの棚卸し

まず最初に行うべきは、自分自身を深く理解することです。以下の3つの問いに答えてみましょう。

Why(なぜ転職したいのか?):
現職の何に不満があり、転職によって何を実現したいのか。

What(何を成し遂げたいのか?):
SaaS営業という仕事を通じて、将来的にはどのようなキャリアを築きたいのか。

How(どう貢献できるのか?):
自分のこれまでの経験やスキルは、SaaS企業でどのように活かせるのか。

この自己分析が、後の職務経歴書作成や面接での受け答えの「軸」となります。この軸がブレていると、説得力のあるアピールはできません。

Step2:SaaS営業に特化した職務経歴書の書き方

職務経歴書は、あなたという「商品」の企画書です。採用担当者が「この人に会ってみたい」と思うような、魅力的な内容に仕上げましょう。

【書き方のポイント】

実績は必ず「数値」で示す:
ポイント②で解説した通り、定量的な実績を具体的に記載します。

STARメソッドを意識する:
実績を書く際は、「Situation(状況)」「Task(課題)」「Action(行動)」「Result(結果)」のフレームワークに沿って書くと、あなたの行動と思考のプロセスが伝わりやすくなります。

SaaS営業との親和性をアピール:
ポイント①で解説した、親和性の高いスキル(課題解決能力、論理的思考力など)が伝わるようなエピソードを盛り込みます。

自己PR欄を有効活用する:
職務要約だけでなく、自己PR欄でSaaS営業への熱意や、入社後の貢献イメージを具体的に伝えましょう。

Step3:求人情報の探し方と優良企業の選び方

自己分析と書類の準備ができたら、いよいよ求人を探します。

【探し方】

転職サイト: ビズリーチ、リクナビNEXT、dodaなど。
SaaS業界や営業職に強い転職エージェント: hape Agent(エイプエージェント)、マーキャリなど。
企業の採用ページ: 興味のある企業のサイトを直接チェックする。
リファラル採用: 知人や友人にSaaS企業で働いている人がいれば、紹介してもらうのも有効な手段です。

【優良企業の選び方のヒント】

ユニットエコノミクスは健全か?:
ユニットエコノミクス(LTV ÷ CAC)の目安は、 3倍~5倍程度が一つの目安と言われています。健全な収益構造を持っているかを確認します。(IR情報や面接で質問してみましょう)
※グローバル経営大学院 MBA用語集参照

市場でのポジションは?:
そのSaaSが属する市場は成長しているか、競合に対してどのような強みがあるかを調べましょう。

Step4:【頻出質問】面接で必ず聞かれることと回答例

面接は、企業との相性を見る「お見合い」の場です。準備を万全にして臨みましょう。

Q1. 「なぜSaaS業界に興味を持ったのですか?」

NG例:「成長している業界だからです」「将来性があると思ったからです」
OK例:「現職で〇〇という課題に直面した際、SaaSツールによって劇的に業務が改善された経験があり、テクノロジーで企業の課題を解決することに強い魅力を感じました。
特に、サブスクリプションモデルを通じて顧客と長期的な関係を築き、その成功に貢献できる点に惹かれています。」

ポイント:
自身の原体験とSaaSのビジネスモデルを結びつけて、自分ならではの志望動機を語る。

Q2. 「数あるSaaS企業の中で、なぜ弊社なのですか?」

NG例:「御社の製品が有名だからです」「福利厚生が良さそうだからです」

OK例:「御社の『〇〇(企業のミッションやビジョン)』に深く共感しました。特に、〇〇というプロダクトが解決しようとしている□□という社会課題は、私自身が前職で感じていた問題意識と一致します。
私の〇〇という経験を活かし、このプロダクトを世に広めることで、〇〇という課題解決に貢献したいと強く考えています。」

ポイント:
企業のミッション、プロダクト、カルチャーへの深い理解を示し、自分の経験や価値観とどう合致するのかを具体的に語る。

Q3. 「あなたの営業としての強みと弱みは何ですか?」

OK例(強み): 「私の強みは、顧客の潜在的な課題を引き出す『傾聴力』です。前職では…(具体的なエピソード)。この強みを活かし、顧客自身も気づいていない課題を明らかにし、最適な提案を行うことができます。」

OK例(弱み): 「私の弱みは、時に多角的な視点が不足してしまう点です。これを克服するため、現在は意識的に他部門のメンバーとコミュニケーションを取り、一つの事象を複数の角度から見るように心がけています。」

ポイント:
強みは具体的なエピソードで裏付け、弱みはそれを自覚し、改善努力をしていることをセットで伝える。

まとめ|SaaS営業への転職はhape Agentへご相談を!

まとめ|SaaS営業への転職はhape Agentへご相談を!
本記事では、「SaaS営業」という仕事について、その本質から具体的な転職ノウハウまで解説してきました。

SaaS営業は、単に「IT系の営業」という枠には収まりません。

それは、サブスクリプションという新しいビジネスモデルを基盤に、データとロジックを駆使して顧客の成功にコミットし、長期的な関係性を築いていく、これからの時代のスタンダードとなる営業スタイルです。

成長市場に身を置き、市場価値の高いポータブルスキルを習得できるだけでなく、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスといった専門性を高めたり、将来的にはマネジメントや事業開発など、多様なキャリアパスを描ける可能性に満ちています。

もちろん、変化の速さやKPI管理の厳しさといった側面もありますが、それらはすべてあなたを成長させるための糧となるはずです。

今、あなたが現状に満足せず、キャリアの新たな一歩を踏み出したいと本気で考えているのなら、SaaS営業への挑戦は、あなたの未来を大きく変える、非常に価値のある選択肢となるでしょう。

本記事で紹介したSaaSの特徴や必要なスキルを理解したうえで「成長できる業界で市場価値を上げたい」「挑戦してみたい」と思う方は、SaaS営業への転職を検討してみてはいかがでしょうか。

今後のキャリアに少しでも不安や迷いがある方や新たな挑戦を考えている方なら、まずは転職のプロの視点を取り入れてみませんか?

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hape Agent編集部

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